85mm/f1.4G | 70-200mm/f2.8G SSM |
確かにマクロ100mm/f2.8もいいレンズではある。しかし、ここでこだわりたいのがボケの質。そこで登場するのが、αSTF135mm/F2.8[T4.5]である。ちなみに最短撮影距離は0.87mで、レンズ単体で1/4倍までの撮影が可能となるほか、純正テレコンバーターを使用すれば、より高い倍率での撮影が可能である。 ちなみにプロフィールを少々・・・ 写真における理想のボケを徹底追求し、輪郭が不自然に強調されず、なめらかでとろけるように美しいボケ味を実現した世界に誇るミノルタが開発したマニュアルフォーカス専用のスペシャルレンズ。アポダイゼーション光学エレメント(と呼ばれる特殊効果フィルター)により、前ボケ・後ボケを問わず、なめらかで美しいボケ味を発揮。2線ボケが発生しないため、ハイライトは自然な広がりを持ち、ボケを生かしたナチュラルで立体感のある映像を実現。また、点光源のボケが欠ける口径食が出ることがなく、画面周辺まで自然な描写力を発揮する。もちろん、ピントの合っているところは抜群にシャープでクリアな描写力を実現している。※STFとはスムース・トランス・フォーカスの略 それはつまり、ボケ味に徹底的にこだわった唯一のレンズであり、背景は形を残しながらもとろけるようにボケる、まさに史上最強のボケ味、ピント面のシャープさは、超Aクラスのスーパーレンズなのである。実はこのレンズ、元はといえば1998年暮れ、オートフォーカス全盛時代のさなかにポートレート用にと手に入れたもの。ところが(乱視等視力の不安定さも手伝ってか)MFゆえのピント合わせの困難さから、期せずしてお蔵入りしていたものである(汗) デジタル全盛時代の今、とあることをきっかけに表舞台に登場すること相成った。実はこのレンズ、デジタル一眼レフとの相性はすこぶる良く、元来の性能を如何なく発揮できるため(この種の撮影においては)もはや常用レンズと化している。 |
【ささゆり】 正対した場合の被写体と背景までの距離は、わずかに20〜30センチ。背景がまさに笹で、いくらボケ味の優れた魔法のレンズであったとしてもキレイに背景をぼかすことは不可能である。(左画像参照) 現場が斜面であるために、思い切ってローアングルから狙ってみた。ちなみに背景となるのは檜の木立で、木漏れ日の差す格好の条件。仮に、ポートレート専用レンズ(85mm/f1.4Gや70-200mm/f2.8G)で撮影したとするならば、円形のボケが(レンズのいい切れ味がいいので)くっきりと強調されるため、小さな円形ボケならまだしも大きいものになれば、主役を損ないかねない。そこで、αSTF135mm/F2.8[T4.5]を使うことで、円形もボケの輪郭をやわらかく、いわゆるとろけるようなボケ味にすることで、主役を引き立たせている。ちなみに、前ボケはささゆりの葉である。また斜面に並行のアングルを取ることで、背景をささゆりの葉や笹の緑をとろけるようなボケで表現し、脇役にささゆりを2個配したもの。(右画像参照) 露出を幾分明るめにすることで、ファンタジーな雰囲気を演出。主役をより美しく表現した。ちなみに、一番近い背景までの距離は約3メートル。 |
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水面に咲く睡蓮などのように、「花と葉」「花と水面」などアングルを工夫しても被写体と背景の距離が取れない場合も少なくない。(左画像参照)この場合、主役である花は勿論のこと、背景となる葉に痛みのないものを選び舞台を整える。といっても邪魔な葉を除去できるわけではないので、出来る限り支障にならないアングルを探す。ただ水面に浮かぶゴミや花から出る脂などについては小さな網(出来れば布製)を使ってこまめに除去したい。 なお、睡蓮の場合、花びらに小さなアブラムシが付着していることが多く(花びらにも点在)、また、水面に茎などが写りこむことが多いので、舞台が整ったら注意深く観察することをお勧めする。右画像は、水面のテカリを利用してをメタリック調に表現したものであるが、両画像とも葉にかかる水などをうまく利用することで、みずみずしさがより強調できよう。また、睡蓮の場合、主役と背景との距離が取れないので(背景をぼかすために)絞り開放近くに設定するが、被写界深度が稼げないのと、花びら自身の白飛びの可能性も高いことなどから、ピント合わせ(当然ながらMFで)に苦慮する場合が多い。理想は中心部とやや手前の両方にピントを合わせることができればベスト。蛇足ながら、きり吹きを利用して花びらに水滴を付着させることでみずみずしさを表現するとともに、ピントあわせを比較的容易にする方法もある。 |
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比較的大型の被写体の場合、如何に背景を処理するかが課題となる。大賀蓮の場合は花だけでなく葉も大きいので、比較的大柄な葉を背景に選び単一色で統一(花の数もそれほど多くなかったので)し、脇役を配置させた。(左画像参照)もうひとつの蓮(右画像参照)は小ぶりなもので、目映りするほど蓮田一杯に乱立している。開いた花びらは、大賀蓮のように華麗だとはとても言えない中途半端なものばかり。止む無く形のよい蕾を選び、背景との距離を出来るだけ確保できるアングルを使用し、主役の蕾と重ならないように脇役を配置させた。淡いトーンに仕上げることでかわいらしさを表現している。 このほかにも、自由に背景を変えられる場合には、背景となる色を(仕上がりの色を)意識して。また、比較的遠い被写体には望遠ズームや望遠レンズ(ボケの美しさを考えるならば単焦点レンズ)などを利用するのも選択肢の一つ。隠し味は、ズバリ!「背景色」 ハイキー(淡い)、ローキー(暗い)、モノトーン(単一色)など被写体を引き立たせる効果として、キャスティングボートを握るといっても過言ではない。可能性があればとにかく、いろいろ試してみること。ちなみに写真パネルや写真額に入れるマット紙など、色がかわれば作品の表情も替わるように(背景色の)仕上げ方ひとつで作品が大きく生まれ変わるとしたら・・・。 |
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