スキャナドライバEPSON ScanV3.は、新たにICCプロファイルの読み込みに対応している。JPEG、TIFFでファイルを保存する際に、設定したスキャンモードやディスプレイガンマに応じて、ICCプロファイルが埋込めるようになっているため、一貫したカラーマネジメントが容易になっている。また、プレビュー画面で確認しながら、簡単な操作でヒストグラム調整、濃度補正、イメージ調整など、画面を見ながら、レタッチソフトさながらに詳細な補正が出来るのも魅力。特にヒストグラム調整は、PhotoShopのレベル補正と同等の機能で、まったく同じ感覚で使えるのはありがたい。一般のレタッチソフトでは調整のたびに画像が劣化していくので、出来ればドライバの調整機能を活用してベストな状態で読み込みを行うのがベターである。
【主な調整機能】 ・ヒストグラム調整 ・ハイライトとシャドウの調整 ・ガンマ(中間調)の調整 ・濃度補正 ・カラーパレット調整 など |
反射原稿/L判 フルカラー300dpi |
35mmポジフィルム 等倍/6400dpi/1コマ |
35mmネガフィルム 等倍/6400dpi/1コマ |
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USB 2.0/ IEEE1394 |
6秒 | 1分43秒 | 1分21秒 |
◆解像度は4800dpi 一般的には、「スキャン解像度が200dpi 以上であれば良好なプリントが、およそ300dpi 以上であれば高画質のプリントが得られる」とされる。例えば、35mmフィルムをスキャンして印刷する場合、光学解像度が3200dpiであれば、A3ノビサイズまで鑑賞に堪える印刷が可能というもの。但し、出力解像度を最高値のままにしてスキャンすると、データ容量が必要以上に大きくなり(パソコンの能力によっては)編集作業に支障をきたす場合も多い。そのため、メーカー推奨値は概ね300〜 360dpiに設定されている。そこで、過去のフィルムスキャナーでのスキャンニングデータ(1ファイルあたりおよそ50MB強)を基に、テストスキャン&印刷を行い(フィルムスキャナー原稿からの)印刷物との比較などを行い、読み込み解像度は4800dpiと決めた。 ◆DIGITAL ICE 及び アンシャープマスク はOFF 作業時間を省くためにも、傷等のやむをえない場合を除きDIGITAE ICEはOFF。また、スキャン後の編集を最大限生かすためにも、アンシャープマスクはOFFとした。 ◆読み取りは48ビット 48bit(R/G/B各16bit)での入力については、高品質の画像を効率よく作成出来るため、出版用途や画質調整を使い慣れたフォトレタッチソフトで行う場合などによく利用される。大幅なレタッチを行う場合は(往々にして)階調飛びが激しくなり粗い画像になるため、48bit でスキャンしておけば(24bitでスキャンした場合に比べ)レタッチ後の階調飛びを抑えることが出来るからである。EPSON Scanでは、自動露出調整だけを行い厳密な画質調整をせずに48bitでスキャンを行い、その後、使い慣れたフォトレタッチソフトでレタッチして、24bitに変換するよう(活用ガイドで)紹介されている。なお、ディスプレイ表示は24bitまでのカラーデータ(1,677 万色)しか対応していないため、48bitカラーでスキャンしても24bitカラーでスキャンしても、ディスプレイ上では違いがわからないので念のため。 |
異なる機器同士でも、色空間の設定を合わせることだけでもほぼ問題なく色を再現することが可能。これとは別に、各機器特有の色情報を一旦共通の色空間に翻訳し、その後色情報を渡す機器の色空間に翻訳し直す過程を設けると、より柔軟な色管理を行うことができる。この機器固有の色空間を共通の色空間にするために使われる情報を記録した辞書のようなものがICC
プロファイルである。GT-X970でICMを利用して、より高度なカラーマッチングを行いたい(例えば、Adobe RGB 出力をしたいなど)場合には、以下のように設定することになる。 ・EPSON Scan の環境設定の[カラー]タブで、[ICM]を選択 ・ソース(スキャナ)を[EPSON 標準]に設定 (原稿種にかかわらず、使用機種に対応したICC プロファイルが参照される) ・ターゲット(出力用プロファイルの意味)は、AdobeRGB(印刷用に最大限広い色空間を利用するため)に設定 ・モニタ補正を行ってプレビューを表示にチェックを入れる なお、「モニタ補正を行ってプレビューを表示」にチェックを入れるのは、モニタカラーマネジメントツールなどでモニタ用ICCプロファイルを作成・利用してい場合、読み込まれたデータがモニタに正しく受け渡されるようにするためである。 |
フィルム原稿の準備が完了したら、あとはプレビューボタンを押すだけである。35mmポジフィルム4本をセットして、一度に24コマのプレビューが行えるのはフラットヘッドスキャナならでは。ちなみにプレビュースキャンに要した時間は約50秒であった。フィルムスキャナーの場合は、せいぜい6コマが限度であり、(当然のことながら)その度にフィルムを入れ替えるという手間が発生する。ホコリ対策を考えるならば、出来ればフィルムの取り扱う回数は減らしたいもの、そういう意味で一度に4本のフィルムをセットできるのは理にかなっている。 プレビュースキャンが終了すると右図のような画面が現れる。この中から目的の画像にチェックをいれて本スキャンを行うわけである。なお、(本機の場合)一度に複数枚の本スキャンが可能となっているが、Webでの利用など、比較的解像度が低い場合やPC本体のメモリに余裕があればの話。多分に漏れず、今回の4800dpiではせいぜい1枚が限度であると付記しておきたい。ちなみに、EPSON Scanを終了してもプレビュー画面を閉じなければ(もちろんフィルム原稿を取り出さないことが条件であるが)改めてプレビュースキャンを行う必要が無いため、EPSON Scanを再度起動するだけで、本スキャンに移ることが出来る。 |
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