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Martinの「デジカメ指南」
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tips62 白飛び黒潰れの救世主、ヒストグラム
「ヒストグラムってなんやそれ?」あまり馴染みのない言葉のため、ヒストグラムが何を意味するのかさえ分からないという人も多いのではなかろうか。(ヒストグラムは、一眼レフデジカメはもちろんのこと、コンパクトデジカメにも搭載されるようになってきた機能のこと)
実はこの「ヒストグラム」、撮影する前から適正露出か否かが分かり露出補正をする場合の目安となる、使いこなせれば非常に便利な機能なのである。さて、その見方と使い方とは・・・。
<液晶モニタでも確認できるのでは?>
おっしゃるとおり、液晶ビューファインダーが搭載されているデジカメであれば、「撮影前」「撮影後」の状況はリアルタイムに確認できる。(厳密に言えば「かなりアバウトな・・・」という表現を付け加えて)しかし、明るい屋外などでは、液晶画面が光って見づらいうえに、ピント確認(ピントが合っているかどうか確かめること)する時と同様に、小さい液晶で確認することはかなり至難の業なのである。
撮影現場で、ひととおり確認して自宅に戻り、いざパソコンの画面で確認すると「・・・(絶句)」。撮影した画像は、レタッチ(パソコンでの画像編集)である程度は回復させることは出来るものの、デジカメはラチチュードの幅(明暗差の許容量:適正な露出の範囲のこと)が狭く、ある程度適正な露出でないとオーバー(白飛び)やアンダー(黒潰れ)になり、綺麗な画像が得られない。特に、白飛びの方が情報が失われやすいので、アンダー気味(一番明るい部分が飛ばないでいる)に撮影するのがセオリー(鉄則)である。
<ヒストグラムとは・・・>
横軸に明るさ、縦軸に明るさごとの情報量を積み上げて「画像の明暗の傾向を山なりのグラフで示したもの」をいう。具体的に下左図(レベル補正のグラフ)で説明していきたい。
先ず縦軸、つまり黒い山の部分の高さのことで、高ければ高いほど情報量は多くなる。
次に、黒い山の左端(矢印が指している場所)から、右端まで(赤い下線を引いた部分)が横軸で、0〜255までの256階調で表される。早い話が、一番左端が黒(0)、一番右端が白(255)、その間は中間色と考えればいいのである。ヒストグラムを見て、山が左に行くほど暗く、右に行くほど明るい傾向の画像だということがお分かりいただければ十分である。
黒潰れ
適正露出
白飛び
<ヒストグラムから分かること>
次の例(下左)の場合、右端から左へ全く山が見られない部分がある(白い帯で示した部分)これから読み取れることは、横軸は全体的に山が見られるものの中間色から黒の部分へ少し偏っている。また、山の高さも同様に中間色から黒の部分へ少し偏っており、ややアンダー目な画像であることが分かる。(先ずはセオリー通りの撮影か?)
今回は触れないが、レタッチ(パソコンでの画像編集)を行うとすれば、一番右端の△マークを山が始まる部分(上の窓の数字が223となっている)までドラッグする。(下中図)そして、そこで「OK」ボタンを押すと下右図のように、やや左に偏っていた山が、左端から右端まで振り分けられたことがお分かりいただけるであろうか。(下右図)つまり、これだけの作業でややアンダー(暗目)の画像が、明るくバランスの良い画像に変身するのである。簡単便利、これぞ究極のレベル補正の極意!...へ(__へ)☆\(^^;)
詳しくは次の機会にでも・・・。※今回は、PhotoShopCS2で画像を開き、レベル補正窓を開いてヒストグラムを表示させた。
レベル補正前
レベル補正後
<白飛びを防ぐには>
ヒストグラムを液晶モニタに表示させ、撮影しようとする被写体(あるいは撮影後の画像)に目を凝らす。ここで注目すべきは右端。「白飛び」とは本来、少なからず階調があるはずの部分がすべて白(255、または250〜255近辺)で表現されてしまった状態のことで、極端に高い山が右端に現れれば「白飛び」が発生しており、露出補正で回避するかカメラの角度を少し変えてみるなどの「白飛び」軽減の対処していただくことになる。僅か2インチ程度の小さな液晶画面で、撮影した画像の細かな階調まで把握するのは困難極まりないが、ヒストグラムの右端を注意しながら「白飛び」がないか確認していただければいい。
<白飛び以外に注意するとすれば>
「白飛び」と「黒潰れ」と表現したから、「黒潰れはどうなんだと」いう声が聞こえてきそうであるが・・・(汗)
あえて「白飛び」は致命的(レタッチで回復不可能)と申し上げたうえで、話を続けよう。一番上で示したものと同じ、3枚のヒストグラムと3枚の画像を、もう一度、以下に示すのでご覧いただきたい。左は、極端にアンダー(黒潰れに近い状態)、真ん中はほぼ適正露出、そして右側は空の部分が完全に「白飛び」しているケースである。
黒潰れ
適正露出
白飛び
例示したように、狙う被写体によってあえてアンダーを選ぶ場合もあろうが、黒く潰れてしまっては元も子もない。実はこの画像は、段階的にマイナス側に露出補正して撮影したもので、同じフレーミング(角度や方向は変えていない)で6〜7枚撮影した中の1枚で、「一番ハズレ」の画像をご紹介したまで。(「転ばぬ先のバックアップ」ならぬ「押さえの押さえ」である)
話が横道にそれたが・・・ 例示のヒストグラムと画像を比較しながら見ていくと、ヒストグラムが極端に左側(黒に限りなく近い)に偏っている場合や極端に右側(白飛びに限りなく近い)に偏っている場合には、ご覧いただいたような結末。(百聞は一見にしかず)中央の例示では、中間部分に山が広がり、黒から白にかけてまんべんなく山が分布している場合は、ほぼ適正露出がえられていることがお分かりいただけたことと思う。
<おわりに>
ヒストグラムを知ると知らないでは大違い。しかし、日中の炎天下で小さい液晶で画像を確認することは並大抵なことではない。あえてヒストグラムの山のパターンを注視するだけなら、それほど難しくはないであろう。
例えばアバウトであったとしても、頭の中にあるパターン(例)と、これから撮影しようとする(あるいは撮影済みの)画像のパターンを比較して、今どういう状況にあるかを理解したうえで、少なからずとも対処ができたとしたら、あなたのレベルは数段向上したと考えていただいて差し支えない。最後にもう一度申し上げておくが、「白飛び」は致命的であることをお忘れなく。
2006年05月 write.
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