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Martinの「デジカメ指南」
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tips53 これは使えるRAW現像ソフト
RAW撮影が常になりRAW現像ソフトを使う機会が増えた今日この頃、パラメーターの調整に悪戦苦闘の日々が続く。そんな中、前回のtips校了後に妙な事実と出くわすこととなった。これまで、現像後の色調についてどうしても納得し難いものがあり、RAW現像ソフトのマニュアルを紐解いてみた。するとレタッチモードの中に、色空間指定という(出力時にRAWデータからプリンタの色域を最大限に活用する)機能が目に止まった。これが後に、救世主となることを誰が予想したであろうか・・・。
<そもそもレタッチは>
パソコンで画像のレタッチ(画像データ、特に写真を取り込んだデータを加工・修正する作業のことで、本来は写真の加工作業全般を指す言葉だったが、コンピュータによる加工が一般的になったために、今では「コンピュータによる画像データ加工」の意味で用いられることが多い)を始めるようになってからというもの、定番ソフトであるPhotoShopとの付き合いが始まった。当時は定価15万円と高額なソフトであっただけに、現在もプロフェッショナルツールとして確固たる地位を築いている。なかでも処理の中心をなす「ヒストグラム」や「トーンカーブ」補正は、定番中の定番とも言われ「(筆者自身)これなくしてレタッチは語れない(?)」というほど、重要なツールとなっているのは言うまでもない。
先頃、PhotpShopのカメラRAWもようやくベータ版ながらα7デジタルに対応することとなり、喜び勇んで試して見ることにした。しかし定番の「ヒストグラム」や「トーンカーブ」補正が、蚊帳の外(現像処理後にしか使えない)であることや、(パラメータ設定など)私も含め素人が簡単に操作できるとは言い難く(かの有名なSILKYPIXでも同様)、玄人向きのものとあきらめざるを得ない。
※マニュアル(取扱説明書)もろくすっぽ読まず、使いこなそうなどとは虫が良すぎるのかもしれないが、ここでは「出来うる限り平易に、視覚的・感覚的な使いやすさ」を求めるあまりの感想だと割り引いてお読みいただければ幸いである。
<これは使えるDiMage Master>
先頃、おまけソフト「ディマージュビュアー」を使ったRAW現像の実際(tips48参照)をご紹介したが、メジャーではないコニカミノルタから「DiMage Master」というRAW現像ソフトが発売された。カメラメーカの純正ソフトであるだけに、大いに期待を寄せて購入することと相成った。最初は、筆者のPCがHT(ハイパースレッディング)というインテルペンティアムテクノロジーを駆使したCPUであったことから、思いがけない不具合に見舞われることとなったが、同社の技術陣の懸命な努力の甲斐あって問題点もクリアされ、いまでは筆者の片腕としてサクサク動いてくれている。さてこのソフト、新開発のRAW現像エンジン(三次元ルックアップテーブル色変換方式)を搭載し、α-7デジタルやRAW画像対応のディマージュシリーズで撮影した画像を、撮影者のイメージ通りの「とっておきの1枚」に仕上げるための高品位現像・整理・加工が行えるもので(Windows 2000 Professional、Windows XP(Home/Professional)、MacOSで動作)、高機能は言うに及ばず他メーカー製のソフトでは実現することが出来なかった究極の機能が搭載されているのである。
<特筆すべき機能はこれ・・・>
ソフトウェアは大きく分けて「ブラウズモード」「比較モード」「レタッチモード」の3つのモードから構成されている。詳細は http://konicaminolta.jp/products/consumer/soft/dimage-master/index.html にゆだねることとするが、ここでは「レタッチモード」の特徴の一部を紹介する。このソフトの売りは、何といっても「ヒストグラム」や「トーンカーブ」補正が現像処理の過程(処理の後ではない)で行えること。また、「色空間指定」と呼ばれるメニューが設けられ、RAWデータを現像処理する時に保存時の色空間、つまり「sRGB」や「AdobeRGB」など12種類の画像形式を指定(変更)できたり、出力時にRAWデータからプリンタ色空間に直接変換する「プリンタの色域を最大限に活用する」機能などが、ビジュアルな画面で表示されるなどまことにユニークである。この機能が後に、救世主になろうとは誰が予想したであろうか。...へ(__へ)☆\(^^;)
<ブラウズモード>
<比較モード>
<レタッチモード>
<事の発端>
今冬、美ヶ原への撮影ツアーに同行させていただいた時のこと。山の天気は変わりやすいとは聞いてはいたものの、冬の山岳撮影とくれば否が応でも運を天に任せるしかない。期待通り?大半が吹雪のために手も足も出ない状況ではあったが、それでも約300カットほど撮影することができた。
早速、自宅に戻りブラウズモードで、これはと思われる画像をピックアップしたうえで現像処理を敢行したが、どうしてもマゼンダかぶり(特に白い部分が薄い紫がかっている)が解消出来ないカット(画像)に遭遇してしまうこととなったのである。「気に入っているカットだけに、何とか出来ないか・・・」と、いつしか脱出の出来ない泥沼の中にいた。
<救世主?の登場>
あらゆる補正を試みるものの、結果は全て「No Good!」あきらめ加減でマニュアルのページをめくっていると、レタッチモードの中に“色空間指定”という(出力時にRAWデータからプリンタの色域を最大限に活用する)機能が目に止まった。「色空間指定」とは、RAWデータを現像処理する時に保存時の色空間、つまり「sRGB」や「AdobeRGB」など12種類の画像形式を指定(変更)できたり、出力時にRAWデータからプリンタ色空間に直接変換(プリンタの色域を最大限に活用する)という機能などが、ビジュアルな画面で表示されるユニークなもの。
「そんなにうまい話があるもんか・・・」と疑心暗鬼ながらも、ついついその手はマウスに伸びていくのであった。
<その行方や如何に!>
と、その前に、問題の画像のデータをご紹介しておく。画像データは、画質劣化のないRAWデータとモニター確認用のためにJEPGが同時に記録できるモードで撮影。(RAWデータは、現像処理をしない限りそのままモニターで表示することは出来ないため)カラーモードは、被写体の持つ自然な質感を重視したナチュラル(sRGB)をとした。
再び現像処理に戻り、「色空間指定」メニューからRAWデータからプリンタ色空間に直接変換する(プリンタの色域を最大限に活用する)にチェックを入れ、「sRGB」を「AdobeRGB」に変換させて、TIFFファイルに出力することとした。さて肝心の結果であるが・・・。あれだけ悩まされていた「マゼンダかぶり」が、何事もなかったかのように除去されて、本来の雪の白を取り戻してくれたのは言うまでもない。※但し、RGB対応のディスプレイのためディスプレイ上では効果は確認出来ないので念のため(印刷して結果が残せたもの)
<最後に・・・>
今回の校了前に新しいニュースが飛び込んできた!アドビシステムズから「多彩なファイルブラウズ機能やRAWファイル一括処理、ノイズ軽減機能や新変形ツールを新搭載した定番画像処理ソフト“Photoshop CS2 日本語版”」の発表である。プレス発表によれば、今回のバージョンアップは、RAWデータへのより高度な対応や、画像一覧機能などが大幅に機能アップされている。
いくつか特徴を挙げてみると・・・
・ノイズ軽減や赤目補正、歪曲収差補正が直感的にできる「スポットヒーリングブラス」機能搭載。
・「光学レンズ補正」機能を新搭載。歪曲収差や周辺減光、色収差補正が可能。
・従来、Camera RAWでしか処理できなかった色収差や周辺減光補正が通常のJPEGデータなどにも適用可能に。
・Camera RawプラグインもVer.3.1に。Photoshop本体を起動しなくても、RAWデータの閲覧や現像処理、一括処理が可能に。
・高機能な画像一覧機能を実現した「Adobe Bridge」を採用。
・32bitのハイダイナミックレンジ(HDR)に対応。デジタルカメラで段階露光した画像データを合成することで、32bitデータの生成が可能に。
・ピントの甘い画像修正が容易な「スマートシャープ」機能搭載。アンシャープマスクより自然なシャープ感を実現。シャドーとハイライト別々に適用可能。
・「ノイズ軽減」機能を新搭載。高感度撮影時のノイズを大幅に軽減可能。JPEGノイズも軽減可能に。
・同形状のものを遠近感を保ちながら延長できる「Vanishing Point(バニッシング ポイント)」機能搭載。
・高度で自由度の高い画像変形が可能な「Image Warping」機能搭載。
・Windows用、Mac用。92,400円。アップグレード版26,250円。7月上旬発売 など
画像資料から読み取る限りでは、現像処理の過程において定番の「ヒストグラム」や「トーンカーブ」補正が行えることはもちろんのこと、RAW現像機能が大幅に強化されている模様。満を持しての発表だけに、PhotoShopユーザーなら「これは買い!」であろう。(筆者は決してAdobeの回し者ではないので念のため)
一眼レフデジタルカメラとともに常に進化するRAW専用ソフトウェア。どうやら来月のTipsは、PhotoShopCSの独壇場になりそうな予感である(汗)乞うご期待!
2005年07月 write.
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