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Martinの「デジカメ指南」
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tips75 初めてのデジタル一眼(究極のレンズ選び)
デジタル一眼レフのボディーは買ったものの「交換レンズは何を選べば良いのか?」デジタル時代に突入して、これまでフィルムカメラでは想像もつかなかった高倍率のズームレンズも続々登場してきている。限りある予算の中で「少しでも安くいいもの(レンズを)求めたい」そう願う諸兄も少なくない。そこで独断と偏見ながら、お薦めの交換レンズをご紹介する今回のtipsは、題して「初めてのデジタル一眼(究極のレンズ選び!)」レンズ選びの参考となれば幸いである。
<ここで一つ注意しておきたいのは・・・>
高級デジタル一眼レフが、ボディやレンズには35ミリフィルムカメラと同じものを流用しているのに比べて、一般に普及しているデジタル一眼レフの多くは35mmサイズよりもひと回り小さいサイズのCCDなどの撮像素子を搭載しているため、見た目の焦点距離はレンズ本来の焦点距離の約1.5倍(機種によっては約1.6倍)となることである。
例えば、フィルム一眼レフでは定番となっている超広角ズームレンズ(17〜35ミリ)も、デジタル一眼レフに換算すると25.5〜52.5ミリとなり、もはや超広角レンズではなくなる。その一方で、望遠ズームレンズの定番である80〜200ミリは、デジタル一眼レフに換算すると120〜300ミリとなり望遠域は拡大することになる。一長一短といえばそれまでだが、ここはやはり、APS-Cサイズのデジタル一眼レフに適合した専用レンズの普及が待たれるところである。
<そこで登場!デジタル専用レンズ>
デジタル専用レンズが登場してからというもの、メーカーも新製品開発にしのぎを削り、純正品を問わなければ、軽くて安価でしかも超広角から望遠までの高倍率ズームレンズが登場してきている。本編執筆中の2月1日にも(レンズメーカーの)タムロンから、28〜388mm相当となるAPS-Cサイズセンサー搭載一眼レフ専用レンズ「AF18-250mm F/3.5-6.3 DiII LD Aspherical [IF] Macroの価格・発売日決定がアナウンスメントされた。「ここまできたか・・・」と驚きを隠せないのは筆者だけではあるまい(汗)なお、デジタル専用レンズはフィルム一眼レフカメラでは使用出来ないので念のため。
<お薦めのレンズは・・・>
「初心者のあなたにお薦めするのは、ズバリ!このレンズ」といきたいところであるが・・・。「出来ればカメラメーカー純正品を・・・」「純正品は高額で初心者の私にはとても・・・」など(正直なところ)ニーズは様々かと。そこで筆者の使用経験を踏まえ、2本のデジタル専用ズームレンズをご紹介する。※メーカーによって微妙に焦点距離が違う場合もあるので、多少読み替えてご覧いただきたい。
◆超広角ズームのお勧め
ズバリ11〜18ミリ!(35ミリフィルムサイズ換算で16.5〜27ミリ)メーカーにより焦点距離に差異はあるものの、ほぼ17〜35ミリの領域であり、未知の領域のへの通行手形となることは間違いない。
【超広角ズームレンズ、実写リポート】
今回、筆者がテストしたのは、コニカミノルタの「AF DTズーム11-18ミリ F4.5-5.6(D)」。
(35mmフィルム換算で超広角16.5から27ミリ相当)
このレンズのウリは「フレア(レンズ内の乱反射により写ってしまう虚像)を軽減し、超広角域で気になる球面収差とコマ収差を適正に補正する非球面レンズとAD(異常分散)ガラスを採用。ズーム全域でコントラストの高い優れた描写性能で、美しいボケ味を演出する円形絞り」。
実際に撮影してみると、確かにフレアは非常に少ない。(画面に太陽が入ったとしてもゴーストはまったく気にならない)画面周辺のにじみも少なく、ボケ味も自然である。ただ画質の点から言うと(被写体にもよるが)周辺でのやや流れる感は否めない。開放絞りでも画質はそこそこだが、ここは超広角の強みを生かしたパンフォーカス(遠景から近景までの画面全体にピントを合わせること)な写真に仕立てるためにも、F8まで絞り込みたい。こうすることでかなりの切れ味を発揮してくれるレンズである。※例えば35ミリ広角レンズの場合、絞りをF8に設定することで、ほぼ2メートルから無限大までピントを合わせることができる。
◆高倍率ズームのお勧め
ズバリ18〜200ミリ!(35ミリフィルムサイズ換算で27〜300ミリ相当)カメラメーカーだけでなく、レンズメーカーからも同焦点距離のレンズが発売されるなど、まさに激戦の焦点距離だといえる。勿論、2月1日に発表された18〜250ミリについても、発売されれば最右翼になることは間違いないであろう。
【高倍率ズームレンズ、実写リポート】
今回、筆者がテストしたのは、コニカミノルタの「AF DTズーム18-200ミリ F3.5-6.3(D)」。(35mmフィルム換算で広角27から300ミリ相当)このレンズのウリは「35mmフィルム換算で広角27mmから300mm相当までの幅広い撮影領域をカバーした、デジタル一眼レフ専用の11.1倍高倍率ズームレンズ。非球面レンズ3枚、AD(異常分散)ガラス2枚を使用し、フレアを軽減し、ズーム全域にわたり諸収差を良好に補正した高画質な画像を実現。インターナルフォーカシング方式(レンズが前に繰り出さない方式)で迅速なAFが可能。また、円形絞りにより、美しいボケ味を演出する」というもの。
18mm、1/125秒・絞りf8
135mm、1/400秒・絞りf8
実際に撮影してみると、フレアは非常に少なく画面に太陽が入ったとしてもゴーストはまったく気にならない。
また、広角側でよく見られる画面周辺のにじみや周辺の画像の流れも、皆無に等しいといっても過言ではない。もちろん絞りをF8まで絞れば、画質はさらに完璧である。
一方、望遠側であるが、開放絞りのF6.3でどれだけのボケが期待できるか多少不安があったものの、円形絞り採用による美しいボケ味も忠実に再現され、画面周辺の光量不足もなく画像もシャープである。高価格なアポテレズームで撮影したものと比較するなら違いも分かるであろうが、正直、この価格でこの映りには感動した。いまだ、それほど多くは撮影していないものの、撮影済みの画像を見る限り「すごいズームレンズだ」と実感せざるを得ない結果となった。これ1本で殆どの焦点距離(例えば35ミリ換算でいうなら、28mm・35mm・50mm・85mm・100mm・135mm・200mm・300mmなど)をカバーしている事を考えると、非常にお買い得(便利)だといえる。
200mm、1/80秒・絞り開放
18mm、1/40秒・絞りf11
ただし、ズームレンズが高倍率であることから、スマートでコンパクトな18mmの広角端と200mmの望遠端では、レンズの長さがほぼ2倍に伸びること。レンズのF値が3.5〜6.3と暗いために、太陽下でははさほど感じなかったカメラぶれであるが、朝夕や曇天下など撮影条件が悪くなれば手ブレの危険は否めない。こうした条件下では、ISOを高感度に(例えばISO400など)セットするなど、積極的な手ブレ対策を講じられることをお勧めする。
特に、風景撮影やマクロ撮影などのように絞りをF8やF16などに絞り込んだり、カメラアングルを固定した撮影などにおいては、三脚使用を前提に撮影していただきたい。(後で嘆かないためにも)
<総評として・・・>
初めてデジタル一眼レフカメラを手にした方ならば、最初の1本は後者の高倍率ズームがお奨め。これ1本で殆どの焦点距離(例えば35ミリ換算でいうなら、28mm・35mm・50mm・85mm・100mm・135mm・200mm・300mmなど)をカバーしており、ほとんどこれ1本で済ませることができる非常にお買い得(便利)ズームレンズだといえる。
2本目としては、ほぼ17〜35ミリの領域をカバーする“作品づくりになくてはならない”前者の超広角ズーム。この2本があれば鬼に金棒と言えよう。いずれも比較的安価で写りもそこそこ。まことに嬉しい限りである。
ちなみに、(参考)として記載したKonicaMinoltaの(2本の)ズームレンズは、レンズメーカーTamron社からのOEM(製造はTamron)製品で、そのαマウントを引き継いだSONYの(2本の)レンズについても、スペック等から見て一卵性双生児の関係にあるものと思われる。実写結果を踏まえ、コストパフォーマンスの観点からレンズ選びをするならば、ボディがSONYなら迷わず純正品を。他社のボディならTAMRONあたりは狙い目か。
<最後に・・・>
フィルム一眼レフ時代では考えられなかった高倍率ズームレンズ。画素数が上がるにつれて、レンズの特性(いわゆるアラ)が見えてくるに違いないが、こと600〜1000万画素のレベルならば、今回ご紹介した2本のレンズは十分期待に応えてくれると思う。しかし・・・、究極の画質を求めるのなら、「高価なズームレンズや単焦点レンズを選択していただくほかに選択肢はない」と、あえて申し上げておきたい。ご紹介した2本のズームレンズで、デジタル一眼レフカメラの魅力を十分堪能していただければ幸いである。
2007年03月 write.
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