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Martinの「デジカメ指南」
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tips72 デジカメアイテム(三脚選びのポイント)
カメラぶれ(手ぶれ)を防ぐためには、重くて頑丈なものに超したことはない。その反面、持ち運ぶにはいささか辛いものがある。ベテランカメラマンのアドバイスを聞きつつも、最終的には財布と相談して、小型軽量のものを選ぶケースも多いと聞く。そこで今回は、三脚の必要性をひも解きつつ、最適な三脚像に迫ってみる。
<三脚選び、その前に・・・>
例えば、風景などのように被写体が逃げないものを撮影する場合、多くのベテランカメラマンは光の微妙な状況や気象条件など一瞬のシャッターチャンスに懸けるのである。また同じアングル(大風景の中からこれはと思う位置や角度などを選んでカメラを構える)を長時間、しかもぶれないでもち続けることは困難。時には、いつ回復するとも予想されない場合もあることから、それ相応の忍耐が必要となる。
一方、花などのようなマクロ撮影(近接撮影)をする場合、これはと思うアングル(角度や位置)にカメラを構えるわけであるが、ファインダーの四隅に不要なものが写っていたり、背景がゴチャゴチャしている場合がある。こういう場合には、少し角度を変えてやるとか、ズームレンズなら少し望遠側にして絞りを開ける(小さい数字:例えばF8よりはF2.8)ことでレンズのボケ具合を利用して背景を整理したりすることになる。また、花に近づけば近づくほどピントの合う範囲が狭くなるなど、(最初選んだ)これはと思うアングルを長時間維持し続けることは困難である。
撮影してみたら、最初のアングルとは全然違っていた。なんてことならないとも限らない。確かに三脚は、カメラぶれ(手ぶれ)を防ぐためのものではあるものの、さまざまな目的で使用するものだということを理解したうえで、用途に応じた三脚を選んでも遅くはない。
<三脚選びのポイント>
まずは、デジタルカメラの重さ(一眼レフデジタルの場合には、装着するレンズも含めた重さ)を考え、グラグラしないものや風が吹いてきても、カメラぶれを起こさないようなものをお選びいただきたい。折角三脚を使ったのにカメラぶれしていては何にもならないのである。
コンパクトデジカメならば比較的軽いものでも良いが、一眼レフデジタルの場合は、レンズも含めた最大重量(300ミリ以上のレンズになると、1キログラム以上はざらである)を考慮して選ぶ必要がある。反面、山岳写真や山歩きなど長時間の移動が必要な場合には重いものは馴染まない。できることなら撮影用途に応じて、軽くて機能的なものから頑丈で強固なものまでのものを使い分けたいもの。(予算と相談のうえで)
なお、三脚や雲台は、デジカメ本体のサイズに大して大きすぎても小さすぎても使いにくくなるので、購入に際してはバランスを考えて選びたい
<三脚使用時の注意点>
大型三脚の場合は長くて背の高さ以上に伸びるが、小型になればなるほど畳んだ状態が短くなるため、それほど伸びないものもが多い。短くなる場合は止むを得ないとして、(いちいち伸ばすのが面倒だということで)中心のエレベーター部分(カメラを三脚に固定する台座がエレベータのように伸縮する)を伸ばして撮影している姿をよく目にする。これは、不安定極まりなくカメラぶれを誘引(助長)しているようなもの。(何のための三脚使用なのか訊ねてみたいものである)中心のエレベーター部分は、高さの微調整などに使用するもので、できるだけ三脚の足を伸ばして安定した状態で使用することが大前提。
突然にやって来るシャッターチャンスへの対応など、リスク覚悟の撮影の気持ちも分からないでもない。急場の撮影を除き、(ここは)はやる気持ちを抑えてセッティングのうえ撮影にいそしんでいただきたいものである。
<三脚の構造>
三脚は、大きく分けて本体部分、エレベーター部分、雲台に分けられる。本体 2段、3段、4段などサイズや用途に応じて豊富に出回っている。エレベーター いわば本体の付属品で、高さの微調整などに使用する雲台 実際にカメラを取り付ける部分で、カメラの位置や角度を調節する働きをする重要なアイテム
<雲台の種類>
雲台の種類としては、3ウェイタイプや自由雲台などがあるが、コンパクトデジカメならオススメは自由雲台。
3ウェイ雲台(大型、中型三脚用)
じっくり構図を決めるのに最適
風景、静物写真向け
自由雲台(中型から小型まで)
シンプルな構造。手持ちの感覚で
自在に向きが決められる
グリップ式自由雲台
(中型、小型の2種類)
手持ち感覚で操作できる
抜群の操作性
グリップ式自由雲台についてひとこと、グリップを握っている間は自由に動かせ、グリップを離せば縦、横、斜めのいかなる角度にも固定できる。水準器も付属し、しかも、片手だけの簡単操作という優れもの。一眼レフに大型レンズの組み合わせではこころもとないが、それ以外の組み合わせやコンパクトデジカメなら打ってつけ。雲台らしくない雲台であるが、筆者が写真を始めた頃愛用していたもので、20年近く経った今でも発売されているというのは、まことにうれしい限りである。
<筆者の場合>
・超望遠レンズ(300mm以上しかもF2.8などの明るくて大きなレンズ)や、厳寒・強風の中での風景撮影など、過酷な条件下での撮影には大型三脚
・200mmまでの望遠レンズやズームレンズなどでの撮影で、比較的じっくりと構えた撮影の場合には中型三脚
・200mmまでの望遠レンズやズームレンズなどでの撮影や、(花などの)マクロレンズでの撮影など、頻繁に撮影位置やアングル(角度)を変えるたりする場合には、自由雲台付きの軽量中型三脚
・山岳写真とまではいかなくとも、山歩きなど長時間の移動が必要な場合には、カーボンなどの強靭で小型軽量三脚など
ちなみにコンパクトデジカメの場合には「迷わず小型軽量を・・・」といきたいところであるが、小型であるがゆえに撮影の度に伸張するのは面倒なので、三脚が必要な撮影の場合には、迷わず「自由雲台付き軽量中型三脚」を用いている。但し、上記の例は、移動手段がマイカー若しくは車での移動を想定しての選択肢であり、徒歩や公共交通機関などを利用した撮影の場合には(背に腹は代えられず)、体力と相談してセレクトしている。
<おわりに>
最近登場してきた手ぶれ補正機能搭載デジカメのおかげで、かなりの場面で三脚を使わずに撮影が可能となってきた。一眼レフデジタルへの手ぶれ補正機能搭載にあっては、一眼レフの常識を覆すほどのセンセーショナルな出来事である。しかし、「後悔先に立たず」である。(あくまでも自己責任)あとで泣くことの無いように、三脚は必須アイテムとしてお供に加えていただきたいものである。
2007年02月 write.
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