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Martinの「デジカメ指南」
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tips71 新しいデジカメ選び(手ぶれ補正は必須条件)
カメラ撮影にとって一番の大敵「カメラブレ(手ぶれ)」。風景写真でもっともドラマティックといえる「朝夕の光景」も、“カメラブレ(手ぶれ)”を克服しなければ手に入れることは出来ない。
「せっかく苦労して撮った写真なのに・・・」とお嘆きの諸兄も多いはず。頑丈な三脚を据えて撮影するならともかくも、“気軽に”“簡単に”“綺麗に”という、いわゆる“今流のデジカメの法則?”からすれば、いかにして“カメラブレ”と付き合っていくかが重要な課題。そこに救世主のごとく登場した「手ぶれ補正」、果たしてトレンドとなりえるのか・・・。
<手ぶれとその主な原因>
シャッターを押す時に身体が動いてしまい、それによって生じた画像のぶれが、いわゆる「手ぶれ」である。三脚を使わない手持ちの撮影には、手ぶれはつきものである。特にデジカメの場合、液晶画面を見ながら撮影することが多いため、手ぶれはフィルムカメラより起こりやすい。
片手で撮影するなど、撮影者の問題であることが多く、撮影時の姿勢や持ち方によってある程度は手ぶれを抑えることができるのである。しかしながら、撮影者が十分に気をつけていたとしても、周囲が暗い場合などシャッター速度が十分に確保できない場合、手ぶれを防ぐのは難しい。そのためには、三脚などを用いてカメラを固定する必要がある。
<手ぶれ補正の主な方式>
◆電子式手ぶれ補正
デジタルビデオカメラなどのように、撮影可能領域を一定のサイズに狭め、撮影の際にバッファメモリに画像を読み込み、前後の画像を比較しながら、はみ出し量を演算し、撮影可能領域を自動的にずらして撮影し記録する方式。欠点として、動画には効果があるものの、静止画には有効ではない。
◆光学式手ぶれ補正
写真レンズ内に振動(ジャイロ)機構を備えた補正レンズを組み込み、ブレを打ち消す方向に補正レンズを動かす事によって光軸を補正する方式で、電子式手振れ補正よりも画質劣化は少ない。キヤノンのIS(Image Stabilizer)方式、ニコンのVR(Vibration Reduction)方式、ソニーのSuper Steady Shot方式(Cyber-Shot)、松下電器産業のMEGA OIS方式、シグマのOS(Optical Stabilizer)方式など多くのデジカメがこの方式を採用している。この方式では、レンズとCCDが一体化されているデジカメには適しているが、レンズ交換式のデジタル一眼レフでは、レンズ側に手ぶれ補正機能組み込んだ(高価な)専用レンズを使わないと恩恵には預かれない。言い換えれば、対応レンズ以外では手ぶれ補正が効かないのである。
◆イメージセンサーシフト式手ぶれ補正
振動(ジャイロ)機構で手ぶれを関知し、光学式手ぶれ補正のように補正レンズを動かすのはではなく、映像を感知するCCD自体を動かすというもの。基本的には「光学式手ぶれ補正」と同じで、手ぶれした分、その反対方向にCCDを動かして手ぶれによるズレを相殺してしまうというものだが、CCDだけを単体で動かすため、レンズを交換するデジタル一眼レフでも、利用可能というメリットがある。ミノルタ(現ソニー)がAnti-Shake方式として、2003年に発売した「DiMAGE A1」に初めて搭載された。その後リコー(Caplio R3)、ペンタックス(Optio A10)、オリンパス(μ750)などで、ほぼ同様のシステムを搭載されている。
デジタル一眼レフでは、コニカミノルタが「α-7 Digital」がAnti-Shake方式の機構を搭載。現在ではソニーがコニカミノルタより受け継いだαシリーズにおいて、更に補正精度等が強化されているほか、ペンタックスもK100DなどにSR方式の補正機構を組み込んでいる。
◆レンズユニットスイング式手ぶれ補正
振動(ジャイロ)センサーで手ぶれを関知し、イメージセンサー(撮像素子)を含むレンズユニット全体を手ぶれに応じて微小回転させることによって撮影光軸を一定に保つ方式。コンパクトデジタルカメラ向けの新型Anti-Shake機能として、レンズユニットスイング式手ぶれ補正法方式が開発されたが、発売されたのはDiMAGE X1(コニカミノルタ)のみ。
<手ぶれ補正の効果>
手ぶれ補正機構を使用した場合、一般的には「シャッタースピードに換算しておおよそ2〜3段分」の効果があるといわれている。(300mm望遠レンズならば大体1/60秒相当で手持ち撮影が可能)
しかし、「手ぶれ補正機能」が搭載されているからといって、完全に手ぶれがなくなるわけではない。手ぶれ補正は、あくまで補助機能であると考え、撮影の基本として、手ぶれを起こさないようにしっかりとした構えで撮影したり、手持ち撮影が困難な状況下では三脚を使うなど、最終的には撮影者のスキル(技量)に委ねられているということを、肝に銘じておいていただきたい。
手ぶれ補正OFF
手ぶれ補正ON
<ちなみに…>
筆者の場合、一眼レフデジカメ「α-7 Digital」には、Anti-Shake(イメージセンサーシフト式手ぶれ補正)機能がカメラ本体に搭載されているため、フィルムカメラ時代から所有してきた全ての交換レンズで、手ぶれ補正効果の恩恵を受けている。まさに願ったり叶ったりである。特に、焦点距離が100ミリ以下のレンズでの(手持ち撮影による)手ぶれ補正効果は絶大であり、レンズバリエーションを駆使した撮影が可能となっている。もちろん、スローシャッターを切らなければならない場合には、常に携行する三脚を使用するなど、2段、3段の手ぶれ補正防止対策を行なっていることは言うまでもない。
他方、コンパクトデジカメ(T-9)にも、レンズシフト方式のユニットを折り曲げ式レンズと組み合わせた手ぶれ補正機能(業界初)が搭載されている。なかでも特筆すべきは、取材のために撮影する雑誌や新聞記事などを(イメージスキャナーを使わないで)デジカメで撮影し、OCRソフトで(100%に近い確立で)ごくごく当たり前のようにデジタル化が出来ること。「手ぶれ補正」さまさまである。
<おわりに>
最近、多くのデジタルカメラに「手ぶれ補正機能」が搭載されるようになってきた。しかし、特許の関係からなのか、その呼び名や補正方式、メリット・デメリットに至るまで種々様々で、どこがどのように違うのか、正直なところよく分からない。詳しくは、取扱説明書をご一読のうえ使用されることをお奨めするが、方式の如何にかかわらず「手ぶれ補正」の恩恵に預かれることは、誠に喜ばしい限りである。
ある民間調査機関が行なったアンケート調査によれば、デジカメ購入希望者の約7割が、搭載してほしい機能として「光学式手ぶれ補正」を挙げている。これを見ても「手ぶれ補正」は必須の条件であり、デジカメ製造メーカーの更なる技術開発に期待したいものである。
2007年01月 write.
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