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Martinの「デジカメ指南」
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tips70 新しいデジカメ選び!(まさかのときのバッテリー)
デジカメは、シャッターを切る時点で費用を気にせず気軽に撮れるというところが魅力。気軽さゆえに、たくさん撮っても、フィルム代や現像代がいらないため安くあがり。いいことづくめのデジカメであるが、思わぬ落とし穴が待っているのである。それは、記録メディアとバッテリーである。記録メディアについては、Tips69(記録メディアは大容量時代へ)で既にお伝えしているので、今回は続編としてバッテリー、とりわけ二次電池について触れてみたい。
※二次電池は蓄電池やバッテリーともいい、充電を行うことにより電気を蓄えて、繰り返し使用することが出来る化学電池のこと
<電池はデジカメのフイルム>
カードが大容量化・低価格化されたために、最大撮影可能枚数は電池によって制約されるようになった。それほどデジカメは電池を激しく消費する。だからといって、こんなことで縮こまって沢山撮る気を失ってしまったら、それこそもったいないの極み。電池自身そう高いものではないので、出来れば予備は用意したいもの。単三型電池を電源に使用するデジカメの場合、継ぎ足し充電が可能なニッケル水素充電池は最有力。いざというときはアルカリ電池で代替でき、他の用途にも流用できるメリットもある。しかし最近は、単三型電池に変わり専用電池を搭載するデジカメが増えていることから、直接参考はならないかもしれないが、ストロボなどの周辺機材での使用も含め、最新情報を織り交ぜてお伝えする。
<バッテリーの消耗>
撮影枚数は、モニターで確認、観賞している時間は含まれていないので、実際の使用では7〜8割程度に見積もっておいた方が無難。さらに、記録メディアの大容量化によって撮影枚数が大幅に増加し、知らないうちにブラックアウト(電池切れ)てな具合にならないとも限らない。特に、寒冷地に行く場合などには、通常より早く電池が消耗し、場合によっては半分以下の撮影枚数になることもあるのでなおさらである。
<某メーカーのテストリポートによれば…(デジカメ単3×2本使用機器テスト)>
常温でストロボ使用率50%(2枚に1回)。さらに液晶モニター常時表示させたまま(モニターを消せばかなり節約に)連続的に撮影するという条件。min.2100mAhの約301枚に対して、min.1600mAhでは約230枚。
メーカーでのテスト結果なので、多少割り引かなければならないにしても、これだけ結果が違うというのは驚きのひとことである。なお、現在、市場には2700mAh(現在の最高容量)の製品が登場するなど、様々な容量のニッケル水素電池が出回っている。電池本体をみると「min.2100mAh」というように記載されているので、購入の際には、ぜひともチェックしていただきたい。ちなみに、デジタル一眼レフなどのオートフォーカスで大型レンズを駆動させる必要があるタイプのデジカメについては、おのずと大容量の電源が必要となってくることから、リチウムイオン(Li-ion)などの充電式専用電池が多く採用されているのである。
容量表示例
<原則は、使い切ってから充電>
ニッケル水素電池にはニッカド電池同様に「メモリー効果」がある。これは容量を使い切らないうちに充電を繰り返すと、容量が少なくなるというもので「最初は1時間使用できたのに最近では30分くらいしか電池がもたなくなった」という経験をされた方も多いかと思う。万一、メモリー効果で容量が減っても、きちんとした放電(放電機能付充電器もあり)と充電を繰り返すと復活する。
でも・・・、「放電機能がない場合はどうするのや!」といわれそうだが・・・。幸いにもニッケル水素はニッカドに比べるとメモリー効果は少ないので、通常の使用においてはカメラが電池切れと判断してから充電するという事を習慣付けた方がよい。ちなみに、充電前の電池を懐中電灯に入れて暫く放置すれば放電できるのでは・・・と考えがちであるが、これは厳禁!
ニッケル水素電池の適正放電限界電圧(放電終止電圧)は1.0V前後で、これ以下に放電させると電池を傷め再充電出来なくなったり、液漏れの原因になったりする。なお、ニッケル水素電池は過充電に弱いため、専用の充電器(全自動タイプ)の使用をお勧めする。
<自己放電が少ない充電池登場>
なるほど優れた充電池であるが、反面、自己放電が著しいニッケル水素電池。満充電しても2〜3ヶ月くらいで半分以下(場合によっては空っぽになることも)という経験をお持ちの方も多いのではないか。
そこに登場したのが「eneloop」である。(ちなみに三洋電機)
・約1000回繰り返し使えてエコノミー
・自然放電を抑えて買ってすぐ使える
・デジカメ撮影枚数は、乾電池の約4.4倍
・低温に強い
・つぎ足し充電OK
・幅広い機器に使える
能書きによれば、neloopは、負極材料の「超格子合金」、正極材料、電解液などを設計段階から見直し、自己放電しにくい素材を採用することで、放置時の自己放電、および放置後の動作電圧の低下を抑制させたというもの。 現行品では、半年後で残存率75%、1年後ではほぼなくなってしまうが、neloopは半年後で残存率90%、1年後でも残存率85%を実現できるという。 最新のニッケル水素電池と比べると蓄電容量はそんなに大きくはないが、ニッケル水素電池につきまとっていた“自己放電”を改善した点は素晴らしい。また、この特性を生かし充電された状態で販売されるため、販売店で購入した状態ですぐに使用できることもうれしいではないか。
なお、同社は、乾電池からこのeneloopへのリプレイスを進めることで、年間7万tともいわれる使用済み乾電池の発生量削減につながるとしていおり、リサイクル体制が整っているNi-MHは、乾電池に比べると、それだけでも環境に優しいというメリットがあるが、さらに焼却時のダイオキシンの発生を防ぐための脱塩ビ化の推進や、再生PET素材の利用、さらには単一素材の利用による再資源時の効率化など、より環境に配慮した製品になっている。
<メンテナンス次第で長期間使用も>
充電したばかりの電池でも、端子が汚れていると接触抵抗によって電圧降下が発生し、さほど使用していないにもかかわらず機材が電池切れと判断してしまうことがある。そうならないためにも、日頃から充電時や電池装着時には布などでかるく端子を拭き取る癖をつけておくのも、長持ちさせる秘訣といえよう。「たかが電池!されど電池!」であるが、カンタンに出来るクリーニング方法をご紹介する。(くれぐれも自己責任で・・・)
◇準備物
・カセットテープデッキ用のクリーニング液と綿棒
・ティッシュペーパー
◇拭き方
・カメラの接点は綿棒にクリーニング液をつけて軽くこする。(接点を変形させないように軽く拭く)
・電池の接触面はティッシュにクリーニング液をつけて表面をピカピカにこする。(見た目によごれていなくても、表面が白く曇っているようだと酸化皮膜ができている可能性が高い)
※紙やすりなどで磨くと表面のメッキが剥がれ、逆に接触抵抗が大きくなってしまうので禁物
<おわりに>
今回は、電池とりわけニッケル水素などの二次電池について解説したが、撮影枚数や電池を気にせずのびのび撮影できることほど素晴らしいことはない。記録メディアがギガバイト時代に入った今、次に求められるのは安定した電源を供給してくれるバッテリーである。一眼レフデジカメのみならず、単三型電池に変わり専用電池を搭載するデジカメ。「老兵は死なずではないが」まだまだ単三電池の活躍の場は多い。手軽さ、しかも安価なゆえに利用範囲が広く、環境問題にいち早く対応しつつ、新たな技術で進化を続けるバッテリー。改めてそのありがたさを痛感する次第である。
2006年12月 write.
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