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Martinの「デジカメ指南」
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tips57 魅力ある超広角の世界
デジタル一眼レフのボディーは買ったものの「交換レンズは何を選べば良いのか?」とお悩みの諸兄も多いはず。デジタル時代に突入して、これまでフィルムカメラでは想像もつかなかった高倍率のズームレンズも続々登場してきている。限りある予算の中で「少しでも安くいいもの(レンズを)求めたい」そう願う諸兄も少なくない。そこで独断と偏見ながら、魅力の交換レンズをご紹介したい。レンズ選びの参考となれば幸いである。
<昔々その昔・・・>
一眼レフカメラが登場した頃は、50ミリの標準レンズ(常用レンズ)付きであった。そして2本目の交換レンズを買うなら「先ずは望遠レンズを1本。次に予算があれば広角レンズ」と教えられたものである。その後、ISO400(当時はASA)のフィルムの登場とともにズームレンズが主流を成していくわけであるが、今振り返れば「広角レンズ」よりも「望遠レンズ」を好まれる傾向にあったといえる。
<そして今では・・・>
昔の標準レンズに代り標準ズームと呼ばれるレンズが主流をなし、交換レンズも単体のレンズよりもズームレンズが重宝されるようになってきた。しかも、28ミリ(広角)から200ミリ(望)までのズームレンズが1本あれば、ほとんどの用途で平均点以上の写真は撮れる。(しかもレンズ交換の手間もいらずに)しかし、・・・である!しばらくすると「人と違った個性的な写真を撮りたい」という思いが頭をもたげてくるのである。これが奈落の底への第一歩であるとは知らずに・・・(汗)
<交換レンズ・・・その前に>
フィルム一眼レフカメラの場合は、使用するフィルムでレンズが決まってくるといっても過言ではない。つまり、写真の大敵である「ブレ」と「ボケ」を克服するには、おのずと対策が必要になってくる。例えば、大伸ばしに耐えられるような低感度(ISO50など)フィルムを使用する場合には、大口径の明るいレンズ(いわゆる高いレンズ)が必要になり、大きく伸ばしても四ツ切(デジタルならA4程度)くらいまでなら、ISO感度の高いフィルム(ISO400など)を使えば、「ブレ」と「ボケ」にはある程度対処できる。それに比べてデジタルの場合、ISOは自動(ISO100〜400あるいはそれ以上の範囲)でやってくれるので、フィルムカメラほど神経質になる必要はないが、写真の大敵である「ブレ」と「ボケ」には細心の注意は払いたい。
<作品づくりならズバリ!これ!に>
先ずは望遠・・・と、いきたいところであるが、ここは迷わず「超広角ズーム」を選びたい!超広角ズーム(17〜35ミリなど)の場合、ほんの少し被写体との距離や角度を変えるだけで、何の変哲もない平凡な被写体がとても新鮮に見えてくる。それはあたかも未知の領域に突入したような斬新な世界が広がるのである。撮影者自身がそう感じるのであるからして、「写真を見る人がどう感じるかは・・・」聞くだけヤボな話である(笑)
ここで一つ注意したいのは・・・ 高級デジタル一眼レフが、ボディやレンズには35ミリフィルムカメラと同じものを流用しているのに比べて、一般に普及しているデジタル一眼レフの多くは35mmサイズよりもひと回り小さいサイズのCCDなどの撮像素子を搭載しているため、見た目の焦点距離はレンズ本来の焦点距離の約1.5倍となることである。(フィルム一眼レフでは定番となっている17〜35ミリズームレンズも、デジタル一眼レフに換算すると25.5〜52.5ミリとなり、もはや超広角レンズではなくなる)
<そこで登場!デジタル専用レンズ>
デジタル専用レンズは、純正品を問わなければ、軽くて安価でしかも超広角から望遠までのレンズが揃っている。そこで超広角ズームのお勧めは、ズバリ11〜18ミリ!(35ミリ換算で16.5〜27ミリ)メーカーにより焦点距離に差異はあるものの、ほぼ17〜35ミリの領域であり、未知の領域のへの通行手形となることは間違いない。なお、デジタル専用レンズはフィルム一眼レフカメラでは使用出来ないので念のため。
<超広角レンズ、実体験リポート>
今回、筆者がテストしたのは、コニカミノルタの「AF DTズーム11-18ミリ F4.5-5.6(D)」。(35mmフィルム換算で超広角16.5から27ミリ相当)実のところ、所有レンズ群がフィルム一眼レフ用のため、デジタル専用の超広角ズームの発売を心待ちにしていたのである。
このレンズのウリは「フレア(レンズ内の乱反射により写ってしまう虚像)を軽減し、超広角域で気になる球面収差とコマ収差を適正に補正する非球面レンズとAD(異常分散)ガラスを採用。ズーム全域でコントラストの高い優れた描写性能で、美しいボケ味を演出する円形絞り」。実際に撮影してみると、確かにフレアは非常に少ない。(画面に太陽が入ったとしてもゴーストはまったく気にならない)画面周辺のにじみも少なく、ボケ味も自然である。ただ画質の点から言うと(被写体にもよるが)周辺でのやや流れる感は否めない。開放絞りでも画質はそこそこだが、ここは超広角の強みを生かしたパンフォーカス(遠景から近景までの画面全体にピントを合わせること)な写真に仕立てるためにも、F8まで絞り込みたい。こうすることでかなりの切れ味を発揮してくれるレンズである。※例えば35ミリ広角レンズの場合、絞りをF8に設定することで、ほぼ2メートルから無限大までピントを合わせることができる。
「俺はコニカミノルタユーザーではない!」 と言う声が聞こえてきそうであるが、ご安心あれ(汗)レンズメーカーのTamronから(本機と一卵性双生児の)SP AF11-18ミリ F/4.5-5.6 DiIIが発売されているので、CanonやNikonユーザーもご利益に預かれる。(AF18-200ミリ F/3.5-6.3 XR DiIIとペアで揃えれば、35ミリ換算で17〜300ミリまでの撮影が可能となるとはTamronの談)
<後は、撮影者のテクニック次第>
広角という名前が示す通り広い範囲を一度に撮影でき、近くから遠くまでピントが合いやすく、見た目以上の遠近感が出せるなど、意欲的な作品づくりが出来る半面、撮影には少々工夫が必要となる。ポイントは、撮ろうとするものに可能な限り近づいて撮ること。早い話「主役はより大きく、背景はより小さく」である。こうすることで、遠近感が強調された迫力ある作品が生まれるのである。また、少しの移動(カメラの)でも映像が大きく変化するため、フットワークよくベストポジションを選ぶのも重要な要素となる。
風景写真の場合、空や雲などを有効に活用することで、より力強い作品に仕上げることもセオリーの一つとなっている。この場合、円偏向フィルター(俗にサーキュラーPLとも呼ばれ、風景撮影にはなくてはならないフィルターである)を装着することをお勧めする。
<最後に>
今回、テストリポートを兼ねて「大台ケ原」をフォトトレッキングしたが、青い空と白い雲がとても印象的で、ことのほか満足いく撮影ができたのは言うまでもない。「感動こそ上達への近道!」見る人に熱い感動を伝えることができるなら、あなたはもはや名カメラマンである。
2005年11月 write.
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