本文へスキップ
Martinの「デジカメ指南」
tipsメニューへ戻る
menu
tips54 遂に登場!Photoshop CS2(RAW現像機能が満載)
これまで4回にわたりRAW現像ソフトについて取り上げてきたが、今回はその最終回。遂にあの大御所(Adobe)から、新しいブラウズ機能やRAWファイル一括処理、ノイズ軽減機能や新変形ツールなどの新機能を搭載した、定番画像処理ソフト“Photoshop CS2 日本語版”が発売された。満を持しての登場だけに、期待が高まる!果たしてその実力の程は・・・
<これまでレタッチは>
パソコンで画像のレタッチ(画像データ、特に写真を取り込んだデータを加工・修正する作業のことで、本来は写真の加工作業全般を指す言葉だったが、コンピュータによる加工が一般的になったために、今では「コンピュータによる画像データ加工」の意味で用いられることが多い)を始めるようになってからというもの、定番ソフトであるPhotoShopとの付き合いが始まった。当時は定価15万円と高額なソフトであっただけに、現在もプロフェッショナルツールとして確固たる地位を築いている。
なかでも処理の中心をなす「ヒストグラム」や「トーンカーブ」補正は、定番中の定番とも言われ「(筆者自身)これなくしてレタッチは語れない(?)」というほど、重要なツールとなっているのは言うまでもない。しかし、RAW現像処理の過程で、定番の「ヒストグラム」や「トーンカーブ」補正がつかえないため、止む無く別のソフトを介しての利用に甘んじていたのである。
<RAWデータへの注目>
巷では、デジタルカメラ、とりわけデジタル一眼レフが大きく売り上げを伸ばし、ここにきてビギナー向けの機種を中心に新製品が続々と発売されている。低価格化(10万円以下)が進むにつれてデジタル一眼レフは、もはやプロやハイアマチュアだけのものではなく、ファミリーユースのデジタルカメラとして、今、最も注目を集めている。デジタル一眼レフといえば、画像データ自体が劣化することもなく、ハイレベルな画像を手に入れることができる(魔法の?)RAWデータが挙げられるが、一眼デジカメの普及とともに、数多くのRAWデータ処理(現像)用のソフトが市場に出回るようになり、ビギナー(初心者)でも比較的容易に操作できるものも多い。少しコツを覚えれば、自宅にいながら、より高画質なデジタルプリントがゲット出来るのである。
聞くところによれば、次期Windowsでは「エクスプローラなどの付属ブラウザで、RAWデータファイルが閲覧できるようになる」とのこと。RAWデータへの期待度・注目度はいやがおうでも高まるとともに、手軽な操作で高画質プリントが身近になりそうな予感がする。
<デジタルカメラ関連機能が大幅に強化>
こうしたなかPhotoShop CSが2004年1月以来、約1年半の沈黙を破ってCS2へとバージョンアップした。主な機能として・・・ 先ずは、ワンクリック赤目補正、歪曲収差や色収差、周辺光量落ちなどを補正できる「光学レンズ補正」機能などが新たに搭載。フィルタには高感度撮影時のノイズを、カラーチャンネルごとに低減できる「ノイズを低減」が追加されたほか、多数のフィルタが16bit画像で利用できるようになった。RAW現像機能では、複数のRAWファイルを一括して現像できるようになったことや、自動色調補正、トーンカーブ調整、角度の補正や切抜きなどが可能になっているほか様々な機能が搭載されているが、詳細は解説本に委ねることとする。
<先ずはAdobeBridge>
いままでのプレビュー(参照機能)が進化して、別アプリケーションとなったもので、JEPGやRAWファイルはもちろんのこと、PDFのファイルまでもプレビューできるようになったから驚きである。さらに、複数のRAWファイルの一括処理(現像)や現像処理したRAWファイルのリアルタイムな表示が、ストレスなく表示される。なおAdobeBridgeは、PhotoShop CS2の「メニュー」から「参照」を選び起動させる方法のほか、PhotoShop CS2を起動せずに単独で起動させることも可能となった。
<RAW現像の本丸CameraRaw>
AdobeBridgeで目的のファイルをダブルクリックするとCS2が起動し、CameraRawのウインドウが開く。現像処理にあたっては、PhotoshopElements3.0のCameraRAWと同機能の「自動補正機能」が設けられており、ビギナーにとっては大変便利な機能である。なお、パラメータの自動補正デフォルト(標準設定)で、露出、シャドウ補正、ブライトネス、コントラストがオートに設定され、ホワイトバランスは撮影時設定となっている。
今回、新たな現像選択肢として「トーンカーブ」が追加され、コントロール・ポイントを移動・追加できるが、明るさのみの補正で、画像の値はトーンカーブ上には表示出来ないためヒストグラムに頼らざるをえない。また、ヒストグラムは表示されるものの、「レベル補正」のようなツールは採用されておらず、また、トーンカーブをマウスで調整することも可能ではないが、通常のトーンカーブとはイメージが異なり、実際のところ、私も含めかなり使い込まないと攻略は難しいと感じた。(プロ御用達ソフトだけに、時間をかけて使い込みたいと考えている) なお、シャドウとハイライトをそれぞれ解りやすく警告する機能が付加されているので、プレビューエリア右上のチェックボックスを使えば、現像パラメータの微調整時に便利だと感じた。そのほか、撮影された画像が万一傾いていた場合、角度補正ツールを用いることで、RAW現像時に傾き補正が出来るほか、通常の切り抜きツールもCameraRAW上で利用可能となっている。
これまでCameraRAWは、Photoshopのための単なる補助ソフトであったものが、CS2ではより独立性が高まり、現像結果はDNG、JPG、TIF、PSD形式で直接ファイルに保存できるようになった。なお、現像処理後に開くをクリックすると、ファイルを保存することなくPhotoShopCS2に画像が引き継がれるため、さらにレベル補正などの調整が可能となる。その場合、画像の編集は16Bitで行われることをお薦めする。
<デジタルユーザー向けの使えるツール>
◆赤目修正
文字通り網膜でのフラッシュ反射が原因で起こる「赤目」を、瞳のサイズに合わせて補正できる機能が1クリックで可能に。(Elementsには最初からあったのに・・・(^^;)
◆レンズ補正
レンズの諸収差を取り除くための専用フィルタで、カメラのレンズの特性(安物?レンズにありがちな)で発生する「樽型ゆがみ」や「糸巻き型ゆがみ」などを簡単な操作で補正が可能。」¥ (これは便利かも・・・(^^;)
◆ノイズを低減
高感度撮影により目立ったカラーノイズやjpegの圧縮処理で生じたノイズなども、Photoshop CS2のフィルタに新しく加わった「ノイズを低減」を使用すれば高度に修正が可能。(今まで、フィルタやぼかし、シャープの組み合わせなどで対処していたのが、うそのよう・・・(^^;)
◆スマートシャープ
従来からある「アンシャープマスクの拡張版」ともいえるフィルタで、通常のシャープ(ガウス)だけでなく、レンズや移動といったぼかしを指定することや、角度調整も行なえるぼかしフィルタの種類を選択できる。さらにシャドウ側とハイライト側で適用する効果を変化させることもできるなど、高度な機能が付加されている。(これは超おすすめ \^o^/)
◆スポット修復ブラシ
修復ブラシツールの拡張版で、周辺の色を自動的に分析してクリックされた部分を一回で補正。オブジェクト全体を除去し、選択した箇所の混合モードに基づいてすべてのレイヤーにわたって修復するもので、16bit画像やCMYK画像でも利用可能。(万が一のゴミはこれで解決か・・・(^^;)
◆拡張された16bit編集機能
何よりもおすすめなのが、16bit編集機能が拡張されたこと。16bitでの編集は、日ごろから定番として愛用しているモードで8bitに比べて画質の劣化がほとんどなく、レタッチを行ううえでなくてはならない機能のひとつである。。今回のバージョンアップで16bitモードで適用可能なフィルタが大幅に増えたことで、大半の作業を16bitのままで行なえることや、細かなユーザーインターフェースの改善で「使い回しはかなりいい」と実感している。(CameraRawの不足機能を補っても余りあり・・・(^^;)
レンズ補正
スマートシャープ
<総合評価>
PhotoShopCS2を艦船にたとえるならば、巡洋艦や駆逐艦ではなく間違いなく巨大戦艦。正直なところ、短時間での実体験リポートにはいささか辛いものがあった(汗)
今回のバージョンアップの中核をなすCameraRawの機能強化で、汎用のRAW現像ソフトと遜色のないほどに仕上げられ、CameraRawに限っていえばようやく使えるようになった。その反面、期待していた「レベル補正」が搭載されていない(あくまでも個人的な希望であるが)ことや、私も含めビギナーには少々難解な部分も少なくはないが、拡張された16bit編集機能など不足部分を補っても余りあることはいうまでもない。(後は、CameraRawの中に「レベル補正」ツールの登場を望みたい!)
<最後に・・・>
ファミリーユースのデジタル一眼においては、そのほとんどがJEPGでの利用(記録)となると思われるが、RAWデータを利用すれば高級デジタル一眼と同じように(少しコツを覚えれば、自宅にいながら)より高画質なデジタルプリントがゲット出来るのである。ぜひ一度、RAWデータに挑戦してみてはいかがが・・・。
2005年08月 write.
このページの先頭へ
ナビゲーション
トップページ
top page
はじめに
introduction
プロフィール
profile
使用機材紹介
item
不定期コラム
column
ギャラリー
gallry