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Martinの「デジカメ指南」
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tips51 究極のインクジェット写真用紙
これまで、様々なプリンタやドライバーと悪戦苦闘しながらも高画質プリントを目指してきた。しかし、ひととおり得られた結果には満足してはいるとはいえ、まだまだ不満も少なくない。勿論、印刷に際しては何のためらいもなく純正品の最高級グレード品(E社:写真用紙、C社:プロフェッショナルフォトペーパーなど)を使用してきている。
ここでふと考えてみた。「もし、印刷用紙を社外品に替えることで、これまでの不満が解決することが出来るとしたら・・・」巷では、純正用紙に匹敵あるいはそれを上回る品質の社外品も数多く発売されていると聞くが、実力のほどは分からない。おりしも、4月15日、E社から最高級グレードの写真用紙「クリスピア」が発売された。「純正品だけに触手が動く!」またとない機会の当来に、純正2品と社外品の中から独断と偏見で「これは」思われると写真用紙を選び、その実力をテストすることにした。果たしてその結果は・・・。
<写真用紙のノミネート>
テストを始める前に、独断と偏見で4種類の用紙をノミネートすることにした。先ずは、純正用紙の中から「写真用紙(光沢)」と新製品の「クリスピア<高光沢>」。社外品からは、数ある製品の中から身近で常時入手が可能、比較的安価な「PhotolikeQP<写真画質>光沢厚手」と「画彩 写真仕上げ Pro」を選んだ。(期せずして2大フィルムメーカーが揃うことと相成った)
1.クリスピア<高光沢>
写真表現に情熱を注ぐ方のために誕生した高光沢の次世代写真用紙。
■艶やかな光沢を生む「スーパークリスタルコート層」を表面に塗布し、かつてない最高の光沢感を実現。
■ベースペーパーに改良を加え、透明感あふれる白さを実現。
■0.3mm(写真用紙<光沢>は0.27mm)の紙厚と紙腰を実現。
2.写真用紙(光沢)
■長期間色あせにくい高品質な写真プリントを実現。
■新しいフォトインクとの組み合わせにより、いままでにない優れた耐光性・耐水性を実現。
■厚み0.27mm、色率92%。
3.PhotolikeQP<写真画質>光沢厚手
■印画紙ベースの写真用紙で、最高レベルの厚み(0.3mm)。
■写真で培った独自の技術による鮮やかな仕上がりとシャープな切れ味。
■高い光沢性と純白度・豊かな諧調再現で写真並みのプリント仕上がりを実現。
4.画彩 写真仕上げ Pro
優れた描写をリアルに再現、光で極まる感動色。
■視覚的に訴える”革新的な光沢感”を向上。
■ハイライトから濃色そして黒のシマリを向上。
■こだわりのある本格派も納得の滑らかな粒状性を追求。
■最高級写真用印画紙技術を応用。クラス最高峰の320μmの紙厚と紙腰を実現。
<印刷機の条件>
・プリンタ PX-G5000(A3プリンタ)
・顔料インク(8色)
・使用ソフトウェア PhotoShopCS
・プリンタICCファイル PX-G5000用<E社写真用紙(光沢)>
※3、4については、PX-G5000用のプリンタICCファイルが用意されておらず、ドライバの用紙設定で「写真用紙(光沢)」を選ぶこととなっている。
※クリスピアについては、4月中旬以降メーカーサイトからダウンロード可能とアナウンスメントされているが、いまだ入手は出来ない。
<印刷前(太陽間接光下)の目視比較>
【純正用紙比較】
・「写真用紙」の、わずかに薄いクリーム色がかった白に比べ、白色度では断然「クリスピア」
(ちょうど蛍光管の白色と昼光色くらいの違い)
・「クリスピア」のほうがわずかに光沢は強いが、従来の写真用紙に比べて約2倍の光沢度」というほどの差は見られない
・触った感じでは「写真用紙」のキュキュっと摩擦音がするのに比べ、「クリスピア」は用紙の表面がツルツルしていて指紋はつきにくい
・紙厚と弾力性では「クリスピア」
・価格(安さ)では「写真用紙」(50枚入りや100枚入りを購入すればさらにお値打ち)
【社外品との比較】
・白色度では、いわゆる白色の「クリスピア」を基準にした場合、「画彩」は少し青みがかった白、「PhotolikeQP」は少しマゼンダぎみの白(写真用紙はやや劣る)
(これが蛍光灯下になると、白色度は「PhotolikeQP」、「画彩」、「クリスピア」の順となる。「写真用紙」は少し青みがかった白に見える)
・紙厚と弾力性は「画彩」「クリスピア」がほぼ同じ。次いで「写真用紙」、「PhotolikeQP」の順(PhotolikeQPの薄さがやや気になるか)
・価格(安さ)は「PhotolikeQP」「写真用紙」「クリスピア」「画彩」の順(画彩はダントツに高い)
<印刷結果(太陽間接光下)>
【紅葉(鮮やかな色調の画像)】
・仕上がりはいずれ劣らず、甲乙つけがたい
・鮮やかな色調の再現は、各社、最も得意とするところか
【雪景色(白を基調とした画像)】
・雪の色調(影の部分を除き)が最もマゼンダ気味なのが「PhotolikeQP」
・「画彩」は自然な仕上がりも「クリスピア」に比べて若干マゼンダ気味(「PhotolikeQP」程ではない)
・最もストレート(自然な雪の白さ)に仕上がったのが「クリスピア」
・雪の色調が印画紙自体の色調(わずかに薄いクリーム色)となった「写真用紙」
【風景(雪景色、雲海、遠景などが混在した画像)】
・純正用紙のやや緑色を基調としているのに対し、「PhotolikeQP」「画彩」は、ややマゼンダ調に
(このあたりは好みが分かれるところか)
<総合評価>
被写体によっては多少好みが分かれるかもしれないが、いずれの用紙も甲乙つけ難い仕上がりとなった。特に「画彩」及び「PhotolikeQP」は、PX-G5000専用のICCファイルが発表されていないのにも関わらずきっちり結果を出してくれた。この辺は、さすがにフィルムメーカーだけあって一日の長があるのかもしれない。
満を持して発売された純正用紙の「クリスピア」については、被写体を問わずほぼ満足がいく結果となった。しかし、今回のテストに間に合わなかった「クリスピア」のICCファイルが提供されれば、さらに高画質のプリントが期待できるのではなかろうか。なお、今回評価が低かった純正用紙の「写真用紙(光沢)」は、被写体を選ばず安定した仕上がりで白色度をあえて気にしないならもっとも実用的(安価)であり、「クリスピア」が発売(A4とL版のみ)されてやや影が薄くなったとはいえ、その実力はいまだ健在だ。
<最後に・・・>
究極のインクジェット写真用紙と題して(独断と偏見ながら)評価を行った今回のtips51。社外品の実力をまざまざと見せ付けられた一方で、安定した純正用紙は頼もしい限りである。ユーザーにとって、選択肢が増えたことは誠に喜ばしい限りであり、嫁入り先(用途)に応じて用紙を選んでいただければいいのではなかろうか。いずれにせよ、お選びいただくのは皆さんであり、今回のtipsが高画質写真用紙選びの一助となれば幸いである。
2005年05月 write.
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