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Martinの「デジカメ指南」
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tips48 魔法のRAWデータ2(現像処理の裏側)
魔法のRAWデータは、設定などを理解しがたい初級者にこそ“大切な1枚のため”の失敗を避けるためのひとつの手段だということは、おぼろげながらにも理解できる。しかしながら、現像処理という工程が「海のものとも山のものとも」分からないうちは、やはり難しいと感じざるをえない。特にパソコン初心者にとって、RAWが魔法のデータということが分かってはいても、そうやすやすとは受け入れがたい現実があるのだと、読者の方からメールを頂戴した。そこで今回のtipsでは、現像処理はどのような工程で進めるのか、ひとつの事例として紹介してみたい!
<はじめに>
そもそもRAWデータとは、一眼レフだけでなく、一眼レフタイプと呼ばれるデジカメ高級機に採用されている画像の保存形式で、最近では、高級コンパクトタイプのデジカメにも採用されるようになってきている。また、RAWデータは、画像処理されていないのでハードディスクに保存しただけでは表示できない。そこでデジカメに付属しているRAWデータ処理ソフトなど「TIFF」形式(圧縮なし)のなどの一般的な画像形式に変換することになる。なお、変換作業(属にこの処理の過程を現像と読んでいる)は、ホワイトバランスなどのパラメーター(昼光や曇天、蛍光灯など)をユーザーが任意に設定することにより、自分好みの画像データを作り出すことができる。しかも、JPEGのデータをフォトレタッチソフトなどで修整するのと違い、画像データ自体が劣化することもなく、ハイレベルな画像を手に入れることが出来るということは、前回のtipsでご紹介したところである。
さて、本論に入る前にひとつ前置きしておきたい。それは、RAWデータの形式がカメラメーカーによって違うという事実である。従って、デジカメに付属しているRAWデータ処理ソフトを使用するか、別売の高機能タイプのソフトを購入するか、はたまた汎用のRAWデータ処理ソフトで自分のカメラのデータが扱えるオールマイティなソフトウェアを購入するかという選択をしなければならない。ここまで言うと「まだそんなに難しいことがあるんかよ〜」などといわれかねないが・・・。
まぁそれはそれとして、おまけのソフトでも十分役割は果たしてくれるので、ここは深く考えずに次に進むことにする。ただ、今回のtipsはα7デジタルに付属するRAWデータ処理ソフト「ディマージュビュアー」を使っているため、皆さんが所有するカメラに付属するものとは操作方法その他がおのずと異なるということを、予めご承知おき願いたい。
<ディマージュビュアーとは・・・>
「コニカミノルタ社製デジタルカメラで撮影した画像を表示・補正・保存を行うためのソフトウェアで、Windows98/SE/Me/2000/Xp、MacOSで動作・・・」と、取扱説明書に記されてある。おまけソフトとはいえ、なかなかあなどれない優れもので、処理パターンさえ理解できれば「なぁ〜んや、こんなにあっけないんか〜」などと感じていただけるであろう。何を隠そう筆者もその一人であった(汗)
1.ソフトウェアの起動
最初に現れるのが、サムネイルウィンドウ表示である。なお、初期設定でサムネイルが表示されるようになっているが、もしファイル名一覧やアイコン一覧が表示されたなら、表示メニューからサムネイル表示を選んでいただければいい。
左窓のフォルダ一覧で、データの保存場所を指定することで、右窓に保存されているRAWデータが「サムネイル(多数の画像を一覧表示するために縮小された画像)」形式で表示される。(もちろんRAWデータもそのまま表示される)もちろんJPEGファイルなども同様に一覧表示されるが、RAWデータとの違いは、ファイルを開く際にいわゆる現像の工程が省略されて、ビューウィンドウが直接表示されることである。
2.RAWデータファイルを開く
次にこれと思う画像を選択して、ダブルクリックする。すると「MRWファイルのオープン」という小窓が開き、ホワイトバランスや露出補正、コントラスト調整、彩度調整などいろいろな設定が行える。(同社のRAWデータには○○○.mrwという拡張子が付けられているため)
なかでも中心となるのがホワイトバランスである。デフォルト(最初の設定)では撮影時の設定となっているので、晴天・曇天などに変更して画像の変化を体験していただくことになろう。その他いろいろいじれば頭がパニックになる?くらい楽しい?世界が貴方を迎えてくれる。(撮影時のイメージがないと、どれが本物?と目移りするばかり・・・かも)ひとつ面白いと感じたのはカラーモードで、モノクロを選択すれば即モノクロ作品が出来上がる(当たり前といえば当たり前なのだが、複雑な処理をしなくても簡単に出来るというところがいい)ことである。まぁ冗談はさておき、ここはホワイトバランスと露出補正に主眼を置く程度に留めておきたい。
もちろん撮影時の状態がベストならば[OK]ボタンを押すだけで現像処理は終了するのである。筆者の場合、撮影時の記録形式として、RAWデータとJEPGファイルが同時に記録されるモードを選択しており、撮影時のイメージはJEPGファイルで撮影後の確認や、現像処理時の参照にも利用している。
3.現像処理後の画像を表示
[OK] ボタンを押すと、ビューウィンドウが開き、現像処理された画像が色鮮やかに表示される。右窓には、RGB(赤・緑・青)の画像分布のグラフとともに画像に関する詳細なデータがが表示されるのである。月並みであるが、銀塩カメラ時代の撮影データ(絞り、シャッタースピードなど)を苦労してメモしていたこともあったが、撮影時のレンズの焦点距離などさまざまなデータが記録・表示されており、いたれりつくせりと感じたのは筆者だけであろうか。
4.さらに補正が必要ならば・・・
現像処理はしてみたものの、何か物足らないと感じたなら、フォトショップなどのような画像補正ソフト(いわゆるレタッチソフト)同様の機能がひととおり搭載されているため、これを利用して画像に味付けしていただくことになる。もちろんJEPG(256階調)画像などとは違って、4,096諧調の劣化の少ない状態で補正が可能となるので大変有利である。ここでは、画像をいかにして自然に仕上げるかを主眼において、「必要があれば・・・」補正していただくことをお薦めしたい。(必要がなければパス)しかし、補正にも限界があるのでくれぐれもお忘れなき様に・・・
一般的によく利用されるのが、ヒストグラムとトーンカーブである。補正の仕方などについては、それぞれのソフトウェアの取扱説明書を参考にしていただきたい。※ヒストグラム(画像の輝度分布をグラフ化したもので、暗すぎる画像は重心が左に、明るすぎる画像では右に偏る)※トーンカーブ(写真画像を調整するうえでもっとも役に立つ機能で、画像の明るさ、コントラスト調整、色調を自在に調整することが可能)
5.こんな便利な機能も・・・
現像処理してはみたものの、ピントがやや甘い(わずかにズレている)というケースはよくあるもの。そのためにも、拡大モードでしっかり確認してみよう!必要があれば、シャープネス(右上の図を参照)補正で、その度合いを確認しながら調整いただければよい。
また、補正する前の画像と補正後の画像を比べるのに便利な補正後画像同時表示画面も用意されているので必要に応じて利用してみたい。前述したが、筆者の場合、撮影時の記録形式として、RAWデータとJEPGファイルが同時に記録されるモードを選択しているため、困ったときにはこの画面を利用して、撮影時のイメージ(JEPGファイル)と補正処理後の比較・参照に利用している。
全ての作業が終了したら、最後に画像を保存して工程は終わりとなる。ちなみにWindowsでは、BMP、JEPG(圧縮)、TIFF(無圧縮)の保存形式が選べる。なお、このほかにも選択した画像のサムネイル一覧を作成・印刷できる「インデックスシート作成機能」や、ビュー画面で画像の一部を指定できる「トリミング印刷機能」、動画編集など溢れるほどの機能が満載されており、書ききれないばかりか、筆者とて全てを使いこなすのは至難の業である(笑)
<最後に>
設定などを理解しがたい初級者にこそ、RAWデータは“大切な1枚のため”の失敗を避けるためのひとつの手段であることは前述のとおり。そのためには、パソコンをそれなりに扱えて、デジタル現像を行うソフトウェアがそれなりに使えるというハードルはあるものの、今回のtipsをご覧になって「何か簡単そうやから、一度挑戦してみよか〜」とその気になられた諸兄も多いのでは。」Webで疑似体験とまではいかなかったものの、感覚的に「なるほどそういうもので、そういうふうに操作するのか・・・」ということがお分かりいただけたならば幸いである。
「現像処理」というと、いかにも値打ちを持たせた難しいもの?を想像しがちであるが、(凝りに凝った補正をしない限り)現実はそれほど難しいことは考えなくていいのである。最初の一歩を踏み出す諸兄にとって、デジカメに付属している「RAW」データ処理ソフトは十分期待に応えてくれる。経験していくうちに「ここをこうしたい」「この色が出せないか」などと不満が出てくれば、その時点で別なソフトを考えればよいのである。同社からも、「ディマージュマスター」というRAWデータ処理用ソフトウェアが市販されており、実際にも使っている。機会があればtipsとして取り上げてみたい。
RAWデータを活用して、必要に応じて必要な補正を利用することで、「あの時あのように撮っておけばよかった・・・」などと悔やむこともなくなるであろうし、それだけ撮影に専念できることで、おのずとシャッターチャンスを逃がすことも少なくなるのである。但し、全てをRAWデータで撮影するというのではなく、必要に応じて(嫁入り先を考えて)JEPGなどと使い分けていけばいい。(筆者自身、デジカメで作品作りをするにあたり「RAWデータ」は、もはや必要不可欠となっている)
RAWデータが利用できる環境にある方は、ぜひ一度お試しいただきたい。
2005年02月 write.
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