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Martinの「デジカメ指南」
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tips47 魔法のRAWデータ(高画質プリントを目指して)
最近、一眼レフデジタルが何かと話題を集めているが、一眼レフだけでなく、一眼レフタイプや高級コンパクトタイプのデジカメでも「JPEG」以外に「RAW」と呼ばれる形式で画像を保存できるようになってきた。この「RAW」とはいったい何なのか? はたまたどのようなケースで使うのか? 今回のtipsでは、Webに掲載するデータではなく「高画質プリントを目指して」と題して、その真相に迫ってみたい!
<RAWデータって何?>
そもそも「RAW」データとは、一眼レフだけでなく、一眼レフタイプと呼ばれるデジカメ高級機に採用されている画像の保存形式である。最近では、高級コンパクトタイプのデジカメでも「JPEG」以外に「RAW」と呼ばれる形式で画像を保存できるようになってきている。それではいったいこの「RAW」はどのようなケースで使うのか?
まずは、その長所短所を浮き彫りにしてみたい。
<RAWデータとは・・・>
デジカメ内部で何の処理もしてない画像データ、つまりCCDなどの撮像素子から得られた電気信号をそのまま単純にデジタル化(圧縮なし)したもの。これに対して「JPEG」の場合は、デジカメ内部でホワイトバランスや彩度などのパラメーターを加味(露出やコントラスト、シャープネスなどの補正の意味)して画像データを作成し、さらに圧縮処理して保存している。
また、「RAW」データは、画像処理されていないのでハードディスクに保存しただけでは表示できない。そこでデジカメに付属している「RAW」データ処理ソフトなど「TIFF」形式(圧縮なし)のなどの一般的な画像形式に変換することになる。なお、変換作業(属にこの処理の過程を現像と読んでいる)は、ホワイトバランスなどのパラメーター(昼光や曇天、蛍光灯など)をユーザーが任意に設定することにより、自分好みの画像データを作り出すことができる。しかも、「JPEG」のデータをフォトレタッチソフトなどで修整するのと違い、画像データ自体が劣化することもなく、ハイレベルな画像を手に入れることが出来るのである。
<デメリットは?>
◆「JPEG」と比べてデータ量が多い
デジカメによって画像容量は異なるが、例えばコニカミノルタのα7デジタルの場合は最大で約9MB(JEPGは最大で4MB)となり、メモリーカードの容量によっては「あっというまに空き容量なし」ということになりかねない。 また、「RAW」データはカメラの液晶モニターで見ることが出来ないため、「RAW」+「JEPG」を同時に記録するモードが備えられているデジカメもあるため、ますます大容量(1GB以上)のメモリーカードが必要となることである。1GB以上のコンパクトフラッシュもかなり安価になってきているが、お薦めは2GBや4GBのマイクロディスク(ハードディスクが内蔵されている)。コンパクトフラッシュに対して半値近くとお値打ちなのがまことにありがたい。
◆現像ソフトウェアが必要
「RAWデータ」を見るためには、データ処理ソフトなどで「TIFF」形式に変換しなければならないが、通常はデジタルカメラ製品に「RAW」データを閲覧するビューワ・ソフト(パソコン用)が同梱されているため、これを利用して画像を表示しホワイトバランスや色調整を行って、「JPEG」や「TIFF」などの市販レタッチソフトで利用できる画像形式で保存できる。最近の同梱の傾向として従来の単機能に加え、補正前と補正後の画像を比べながら作業が出来るなど、高機能化と使いやすさが増しているのはありがたい限りである。しかしながら、パソコンを利用することになるため「私はパソコンはどうも・・・」といわれる方には誠に辛い限りである。ここまで読んで、「なんや面倒くさいうえに、大容量のメモリーカードも必要になる。どうせ同梱されているソフトも使いにくいんやろ」などと言う声が、その辺から聞こえてきそうな気がするのは私だけであろうか(汗)まぁそう言わずにもう少しお付き合いいただけまいか!
<「RAW」がなぜあるのか>
「RAW」は容量が大きく不便なのは前述のとおり。おまけに、ほとんどの諸兄は「JPEG」の最高画質モードで満足するはず。何を隠そう最近までの私がそうなのであるから始末が悪い...へ(__へ)☆\(^^;) ではなぜ、細かな色合いや階調表現などの画質にこだわるプロカメラマンやハイアマチュアなどは、「RAW」データにこだわるのか。
一般的に「JPEG」で保存された画像は。デジカメ内部でカメラメーカーの絵作りに沿って見栄え良くカラー補正されたされた画像で、しかも圧縮して保存されている。次は少し難しいかもしれないが、色情報が失われること。「RAW」では、CCDで捉えたRGB各色の階調が12bit(4,096諧調)のまま保存されるのに対し「JPEG」で保存した時点で8bit(256階調)に減らされてしまう(「JPEG」の仕様が8ビットのため)のである。早い話が、階調が少なくなれば画像も劣化すると考えてもらえればいい。
<「RAW」は魔法のデータ?>
銀塩(フィルム)カメラの場合は、現像するまで結果が分からない。しかしデジタルカメラの場合はその場で結果が分かるのはいまさら言うまでもない。ところが・・・である。風景写真など、突然出くわした光景に「ちょっと待って!」はないのである。
例えば光が織りなす一瞬の光景を前に思わずシャッターを切ったものの、「少し暗すぎた。少し明るく補正すればよかった」という経験をお持ちの諸兄も多いのではなかろうか。私事ながら、ちょっとした思い違い(ダイアル操作ミスや露出補正ミス)などで、何度、大物を逃がしたことか。例え便利なデジカメでもここまではカバーしきれないのである。ならば、不便で扱いにくい「RAW」データを逆手に取ることができれば魔法のデータになるのでは?と考えてみた。露出やカラーバランスなどを後で調節できるのもRAW(CCDで捉えたRGB各色の階調が12bit(4,096諧調)のまま保存される)の特長。また、撮影時にこれらの設定を失敗する可能性があるのなら、いっそのこと最初から「RAW」で撮っておいて後から画質の調整をすれば、劣化なしにそれなりの画像が手に入るのである。勿論、先ずは完璧な露出にトライする事は言うまでもないが、二度とお目にかかることにない場面に出かけるときには、「RAW」と上手に付き合うことで、ローリスク、ハイリターンが実現できるとしたら・・・。
「え〜っ!そんなこと出来るん?」先ずはお試しあれ!かく言う筆者も「半信半疑」というよりも、「1/4信3/4疑」であったのだから...へ(__へ)☆\(^^;)
<標準添付のRAW現像ソフト>
α7d<DiMARGE Viewer>
20D<EOS Viewer Utillity>
D70<Picture Project>
ist DS<PENTAX Browser>
Kiss D<EOS Viewer Utillity>
E-300<OLYNPUS Master>
<最後に>
初心者にはお勧めしにくい「RAW」データ。裏を返せばカラーパランスや露出設定など、初心者では失敗しがちな(本来撮影時に行う)設定などを、後で変更して画像調整できるわけであるから、案外、初級者にこそ嬉しい機能ではなかろうか。これをプロカメラマンやハイアマチュアだけに独占させる手はない。設定などを理解しがたい初級者にこそ「RAW」データは“大切な1枚のため”の失敗を避けるためのひとつの手段と言えるかもしれない。そのためには、初級者がパソコンを(あえてそれなりに)扱えて、デジタル現像を行うソフトウェアが(それなりに)使えるという、少し高いハードルがある。しかしご安心あれ!実際に操作してみると意外と簡単で、それなりに使いやすいと感じたからだ。一番の近道は、近くに操作に明るい人がいて、教示してもらいながら処理の方法をステップごとにひたすらメモするのである。そして、メモに従い自分でやってみる。(あえて)ワンパターンかもしれないが、事実、筆者の付近にも70歳以上の高齢の方でそれなりに使いこなされている人がいる。その方によれば、毎日やっていて少しくにならない。むしろ時間のたつのを忘れ没頭しているとのこと。(作品も素晴らしく仕上がっている)「経験に勝るものなし、一度お試しあれ!」
2005年01月 write.
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