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Martinの「デジカメ指南」
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tips40 新緑を撮る
木々の緑が目にまぶしいこの季節。特に雨上がりなど、瑞々しい輝きに満ちた光景を前に「ここで1枚」と思われる諸兄も多いはず。ここは、新緑をより美しく撮影する方法を押さえて撮影に臨みたい。
<新緑はプラス補正で明るめに>
新緑の魅力はなんといっても、やわらかな色合いにあるといっても過言ではなかろうか。そこでポイントとなるのが光である。どんよりした曇り空では若葉の輝きが表現しにくく、出来うることなら晴天や薄曇りの日を選びたい。森や林の中においては、木漏れ日をうまく利用したい。葉を透過した光によって新緑は、より透明感のある緑に生まれ変わるため、出来れば逆光や半逆光になる位置を選び、葉の裏側に透けてくる光(透過光)を狙いたい。(完全な逆光であれば葉っぱに光が通るような位置に立って。また斜光の時は見た目で、適度なコントラストがつく位置から狙う)こうすることで、新緑の瑞々しい輝きを最もうまく表現することができ、さらに印象深い作品となり得るのである。これは、紅葉の撮影の際にも同様のことがいえる。昔から「紅葉は逆光線で撮れ」といわれるほど、オーソドックスなスーパーテクニックなのである。
もうひとつ重要なポイントは、少し明るめに撮影することである。デジカメに露出補正の機能がついている場合には、迷わずプラス側に+0.5程度(状況に応じて+1ぐらいまで)を目安に補正してみたい。露出補正という言葉を聞くと後ずさりしてしまう方もあろうかと思うが、要は液晶ビューファインダーで確認し、一番キレイだと思われるところでシャッターを押していただければいいのである。但し、液晶ビューファインダーでは、天気の加減で光って見にくいことや細部まで確認できないこともあるので注意願いたい。
<新緑の様々な表情をとらえる>
新緑の撮影では、ズームレンズの広角側を使って全景をとらえたり、望遠側で一枚の葉をクローズアップするなど、いろいろなバリエーションが考えられる。特にデジカメの場合は、ポイントとなる被写体がなければ、画面が散漫となりやすいことにも注意しながら、自分が最も美しいと感じる部分を切り取っていただきたい。
例えば私が良くやる方法として・・・ 新緑の紅葉が頭上にある場合、デジカメを空に向けて構え、幹の黒い部分をアクセントにしながら(画面にメリハリを持たせながら)撮影することもひとつである。その場合は、空に向かってカメラを構えるため画面が暗くなる(露出不足になる)ことから、プラス側に露出補正するわけであるが、そのためにシャッター速度が極端に遅くなりカメラぶれ(手ぶれ)したり、時にはムチ打ち症のように首や肩が凝ることもあるので、出来れば三脚などを用いることをお奨めしたい。もうひとつのアドバイスとして、自分も含め「画面いっぱいに大風景を・・・」などと欲張ることも多いと思われるが、身近にある葉っぱと水滴が織りなすファンタジックなドラマにも目を向けたい。足元の身近な小風景を何枚か撮影することで、ちょっと素敵なアルバムに変身する事も。
<水面などを利用して>
川などの水面に反射する新緑も、趣があってキレイなもの。湖や沼、池などの水面に映り込んだ新緑も格好の被写体であり、風があると水面に波が立ち映り込みがブレてしまうので、風がないときを狙って撮影してみたい。さらにいえば、青空や白い雲などもアクセントとなるため、出来れば晴れの日を選びたい。渓流や滝を入れる場合、シャッタースピードを遅くすると水がブレ(場合によっては綿のような表現も可能)て流れが表現できる。逆に速くすると水の流れを止めて水の飛び散る様子をとらえることができるなどシャッター速度によって大きく表情が変わってくるので、いろいろと試してみてはいかがか。但し、明るいところではシャッター速度をわざと遅くさせるには、NDフィルターとよばれる減光用のフィルター(グレーの濃いサングラスを連想いただきたい)を用いることも必要となるのでご留意を。(シャッター速度が変えられないデジカメの場合には、逆にこのNDフィルターが有効な手段となる場合もある)その一方で、シャッター速度が遅くなるとカメラぶれ(手ぶれ)が起きやすくなるので注意願いたい。
<新緑にも三脚を>
「折角、美しい新緑を撮ったのににブレてしまって・・・」となってはあとの祭り。一枚一枚の葉っぱが見え、枝までしっかりと見える写真の方が良いのは当然。最近のデジカメは、手ぶれ防止機能が搭載されたものも見受けられるが、「転ばぬ先の杖」ならぬ「転ばぬ先の三脚」にはかなわない。三脚というとついつい大型で重くて邪魔なものと思いがち(かといって傘の骨のようなぐらぐらするような三脚では辛いが)あろうが、デジカメは一眼レフタイプやフィルムカメラのように重量はそれほど重くない。デジカメ用に軽量でブレも少ないタイプも数多く出回っているので、一度検討してみては如何か。
2004年05月 write.
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