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Martinの「デジカメ指南」
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tips37 必撮!マクロ写真攻略法
雑誌のグラビアで見かけた花のクローズアップ写真。「どうせ撮るならこのような洒落たイメージの写真を…」とお思いの方も多いのではなかろうか。一般的に、このような撮影はマクロ撮影と呼ばれ、マクロモードあるいはマクロレンズ(レンズ交換型デジカメ)を利用して撮影することが多い。「でもコンパクトデジカメのように、機能が限られていては…」とお嘆きの方も、ちょっとしたコツを知ると知らないでは大違い。さて、その方法とは…
<と、その前に>
マクロとは…、小さなものを撮影する時や、ある部分を大きく写したい時に、被写体からレンズまでの距離が50cm以下にまで近づいて行う接写撮影のことで、マクロ機能とかマクロモードとも呼ばれている。
ここまで読んで難しい… (-.-;) と引かれた方も居られるのではなかろうか。
要するに花などを人物になぞらえて撮影すると考えればいいのである。被写体までの距離の長短はあったとしても、そのコツは人物撮影とほとんど変わらない。「綺麗なものはより綺麗に、そうでないものはそれなりに…」肩の力を抜いて一読いただければ幸いである。
<色鮮やかな花を順光線で>
光が被写体の正面(撮影者の背後)から均一に当たる順光は、光が均一に当たるために、きれいには写せるものの平面的になるのは否めない。とはいえ、色彩が自然に再現されるので花の魅力をストレートに表現するのには適しているのである。例えば、盛夏の青空を背景に向日葵を撮影するとしよう。青空に映える向日葵の黄色は、より鮮やかで、それでいて力強い描写が可能となるのである。
<透明感をもたらす逆光>
被写体の背後からカメラに向かって光が当たっている状態を「逆光」と呼び、昔から「写真撮影に向かない光線状態」といわれてきた。しかし、逆光状態で撮ると被写体に光の縁取り(ラインライトと呼ばれる)ができたり、背景が暗くなるため被写体が周囲から浮かび上がって見えたりする。また、花びらが光に透けて見えるために、いきいきとした輝き感が生まれ、まさにうってつけの光線状態なのである。
<日陰を選んでやわらかい表現を>
晴天の直射光線下では、花の形や色がハッキリと描写される反面、目障りな影が発生したり、色彩がどぎつくなりすぎることもある。そういう時には日向を避けて、日陰にある花を狙うのもひとつの方法。直射光線ではないため、目障りな影も発生せず、派手な形や色の花でも、やわらかい調子写真に仕上げることが出来るのである。
<花に接近して撮る>
昔から「写真は引き算」とよく言われてきたが、狙った被写体の魅力を明快に伝えるためには、余計な写り込みを回避する必要がある。そのためには、できるだけ被写体に接近して撮るよう心がけ、間違ってもズームレンズで調整することなく、角度を変えたり前後に動いてみることである。こうすることで、被写体の臨場感や印象も強くなるのである。
<マクロモードを利用して>
花のクローズアップ撮影には、肉眼とは異なるイメージの世界が待っている 。そんなカメラならではの視点が、見る者を魅了するといっても過言ではないのだ。自分のデジカメにマクロモードが付いているなら、マクロモードにセットするだけで容易にクローズアップ撮影が可能となるのである。その反面、マクロモードでは被写界深度(ピントの合う範囲)が浅く(せまく)なる。従って必ず液晶モニターでピント確認は行っておこう。
マクロモードが付いていなければ… 先ずは取扱説明書で最短撮影距離を確認しておこう。そして、ズーム付のデジカメなら、広角側(広く撮れる側)と望遠側(遠くのものを大きく撮れる側)の両方で最短距離まで近づき、広角側と望遠側それぞれの写り方(特徴)を頭に入れておいていただきたい。この体験こそ、後に作品作りの大きな味方となるのである。また、ズーム機能がついていないデジカメの場合は、取扱説明書で最短距離を確認し、実際に「どこまで近づけるか」「どのように写せるか」を体験しておいていただきたい。なお、あくまでもその距離範囲内ということが条件となるが、フィルムカメラに比べてデジカメの最短撮影距離は短いので、以外に近くまで寄れるものである。
<空間を利用して>
多くの場合、無意識のうちに花を画面の中央近くに配置してしまい、往々にして単調で面白みのない写真しか生まれない。なんな時には、花を画面の中央から外してみるのである。空間を設けることによって単調な写真に動きが出てくる。といっても実際に写真が動く訳ではないが、こうすることにより見る人の既成概念を変える(写真を見る視線や感覚に動きが生じる)のである。
<広角(ワイド)よりも望遠で>
人物撮影と同様に、望遠で撮影すると画面を単純化したりより強調することができる。花に比べて背景の写り込む範囲が狭いため画面を単純化でき、また花自身を浮き立たせたり、背景をボカしたりすることで、結果として主役である花を強調することができるのである。なお、シーンモードなどと呼ばれる撮影モードが搭載されたデジカメでは、状況に応じた設定で撮影することができ、マクロモードやポートレートモードなどを選択するといいだろう。
<背景を考えて>
どんなに色鮮やかで美しい花でも、背景の状況によっては、その美しさが写真から伝わってこない場合もある。例えば、鮮やかな赤い花を撮影する場合、その花の周囲に別の赤い花があると、そちらに目が行ってしまい印象が弱くなってしまう。つまり、脇役はあくまで脇役であり、主役より目立ってはいけないのである。もちろん、複数の花を配列良く組み合わせて撮影しようとする場合は別であるが、特定の花に狙いを絞るなら、背景には同系色の花は避けたいところである。なお、過去のTips29主役・脇役バック処理 http://bell-c.com/martin/tips/tips29.html もぜひ参考にしていただきたい。
コツを知ると知らぬのでは大違い。今までに見たこともないような、そんな素晴らしい作品を期待したいものである。
2004年03月 write.
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