【ささゆり】 正対した場合の被写体と背景までの距離は、わずかに20〜30センチ。背景がまさに笹で、いくらボケ味の優れた魔法のレンズであったとしてもキレイに背景をぼかすことは不可能である。(右画像参照) 現場が斜面であるために、思い切ってローアングルから狙ってみた。ちなみに背景となるのは檜の木立で、木漏れ日の差す格好の条件。STF135mm/F2.8[T4.5]を使うことで、円形もボケの輪郭をやわらかく、いわゆるとろけるようなボケ味にすることで、主役を引き立たせている。ちなみに、前ボケはささゆりの葉である。また斜面に並行のアングルを取ることで、背景をささゆりの葉や笹の緑をとろけるようなボケで表現し、脇役にささゆりを2個配したもの。(右画像参照) 露出を幾分明るめにすることで、ファンタジーな雰囲気を演出。主役をより美しく表現した。ちなみに、一番近い背景までの距離は約3メートル。 |
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水面に咲く睡蓮などのように、「花と葉」「花と水面」などアングルを工夫しても被写体と背景の距離が取れない場合も少なくない。(右画像参照)この場合、主役である花は勿論のこと、背景となる葉に痛みのないものを選び舞台を整える。といっても邪魔な葉を除去できるわけではないので、出来る限り支障にならないアングルを探す。ただ水面に浮かぶゴミや花から出る脂などについては小さな網(出来れば布製)を使ってこまめに除去したい。 なお、睡蓮の場合、花びらに小さなアブラムシが付着していることが多く(花びらにも点在)、また、水面に茎などが写りこむことが多いので、舞台が整ったら注意深く観察することをお勧めする。右画像は、水面のテカリを利用してをメタリック調に表現したものであるが、両画像とも葉にかかる水などをうまく利用することで、みずみずしさがより強調できよう。また、睡蓮の場合、主役と背景との距離が取れないので(背景をぼかすために)絞り開放近くに設定するが、被写界深度が稼げないのと、花びら自身の白飛びの可能性も高いことなどから、ピント合わせ(当然ながらMFで)に苦慮する場合が多い。理想は中心部とやや手前の両方にピントを合わせることができればベスト。蛇足ながら、きり吹きを利用して花びらに水滴を付着させることでみずみずしさを表現するとともに、ピントあわせを比較的容易にする方法もある。 |
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比較的大型の被写体の場合、如何に背景を処理するかが課題となる。大賀蓮の場合は花だけでなく葉も大きいので、比較的大柄な葉を背景に選び単一色で統一(花の数もそれほど多くなかったので)し、脇役を配置させた。(右画像参照)もうひとつの蓮(右画像参照)は小ぶりなもので、目映りするほど蓮田一杯に乱立している。開いた花びらは、大賀蓮のように華麗だとはとても言えない中途半端なものばかり。止む無く形のよい蕾を選び、背景との距離を出来るだけ確保できるアングルを使用し、主役の蕾と重ならないように脇役を配置させた。淡いトーンに仕上げることでかわいらしさを表現している。 このほかにも、自由に背景を変えられる場合には、背景となる色を(仕上がりの色を)意識して。また、比較的遠い被写体には望遠ズームや望遠レンズ(ボケの美しさを考えるならば単焦点レンズ)などを利用するのも選択肢の一つ。隠し味は、ズバリ!「背景色」 ハイキー(淡い)、ローキー(暗い)、モノトーン(単一色)など被写体を引き立たせる効果として、キャスティングボートを握るといっても過言ではない。可能性があればとにかく、いろいろ試してみること。ちなみに写真パネルや写真額に入れるマット紙など、色がかわれば作品の表情も替わるように(背景色の)仕上げ方ひとつで作品が大きく生まれ変わるとしたら・・・。 |
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比較的小型の被写体であるものの、林間に咲くという特性から、ささゆり同様に如何に背景を処理するかが課題となる。早朝の林間という現場故に光量は期待できない。1/4〜1/15秒といったかなり過酷な条件であり、三脚なしには撮影は不可能に近い。(右画像参照) また、自由に背景を変えられないために、暗く落とせる背景や木漏れ日を意識して(仕上がりの色を)出来るだけ多くのシチュェーションを選ぶ。ここでもポイントは「背景色」である。 主役が決まったら三脚を立て、背景に注意しながらアングルを決める。(主役に光が当たっていることは必須条件)ここで使用するのが「拡大表示」と「ピーキング」。これまでピーキングはことあるごとに使用してきたが「拡大表示」はほとんどパスしてきた経緯がある。三脚でアングルを決め「拡大表示」でピントを合わせたい部分を表示させ、マニュアルでピントを合わせる。勿論、アシストしてくれるのは「ピーキング」である。あとは、カメラブレ、被写体ブレに注意しながらそのままシャッターを押すだけである。 α99では、被写体を最大約11.7倍までファインダー内で拡大表示可能で、マニュアルフォーカス時の微細なピント合わせもファインダーから目を離さずに行える。これを使わない手はない! それ以降、ピンボケの写真というか欲しいところに“ドンピシャ!”にピントが来るようになり、おのずと撮影枚数も効率よく減らすことが出来たことを付記しておきたい。 |
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林間から差し込む光がまぶしいシチュェーション。STFレンズによるアップでの撮影では、花の色合いが良く表現できるものの光線が強いため作品としての表現には一考を余儀なくされる。例えて言うなら「じゃじゃ馬を調教する」ようなものである。 また、重量級のカメラ故に1/15〜1/100秒という過酷な撮影状況下では三脚は必須である。 また、自由に背景を変えられないために、暗く落とせる背景や木漏れ日を意識して(仕上がりの色を)出来るだけ多くのシチュェーションを選ぶ。(右画像参照) 主役が決まったら三脚を立て、背景に注意しながらアングルを決める。(主役に光が当たっていることは必須条件)ここでも「拡大表示」と「ピーキング」が切り札である。三脚でアングルを決め「拡大表示」でピントを合わせたい部分を表示させ、マニュアルでピントを合わせる。勿論、アシストしてくれるのは「ピーキング」である。あとは、カメラブレ、被写体ブレに注意しながらそのままシャッターを押すだけでいい。 |
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