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Martinの「デジカメ指南」
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tips125 初めてのLightroom4(「ハイライト・シャドウ復元」ってマジ凄い!)
フルサイズ、APS-C、ミラーレスデジタル一眼の登場など、目まぐるしい進化を遂げているデジタル一眼レフ業界。RAW撮影ニーズの高まりとともに、RAW現像ソフトも着々と改良が重ねられ、 オリジナルの画像を保持したまま、補正・編集することができる業界トップクラスのRAW現像ツールとして、定番のAdobe Lightroom3(以下、Lightroomと記述する)も確固たる地位を築いてきた。
筆者もLightroomが登場以来、使い続けているユーザーのひとりであるが、正直なところRAW撮影ユーザーだけに使わせるにはもったいない。パソコンが一通り扱える人なら“少しのコツ”で十分使いこなすことは可能であり、JEPGユーザーにこそ使っていただきたいと思っている。
ところが、巷では「高機能故にとっつきにくい」「平易な解説書がない」など、Lightroomの使い方やノウハウなどを求めるユーザーも少なくない。確かに近場の書店では、Lightroomの解説書すら目にすることもなく、ネットに救いを求めるにしても解説書の中身までは分からないというのが実態である。
そこで、多くのリクエストにお答えして、Lightroomの初心者(JEPG)ユーザー向けに、最低限必要な知識やノウハウなどを複数回にわたり、独断と偏見ながら出来る限り平易な解説でご紹介しているところである。
そのLightroomが先ごろバージョンアップし、Lightroom4と相成った。しかしながら、目玉である「ハイライトシャドウの復元」以外は動画機能の向上やマップなどで、静止画を扱うものにとって今回のバージョンアップが本当に意義があるのかと思われる諸兄も少なくないであろう。かくいう筆者もそのうちの一人であるが・・・。とはいえ使い続けるうえでバージョンアップは欠かせないもの。そこで、唯一、「ハイライト・シャドウの復元」に期待してバージョンアップを行ったところである。その「ハイライト・シャドウの復元」がとんでもない結果を出してくれたのである。
そこで、今回は、緊急企画として「ハイライト・シャドウの復元」とりわけ「つぶれたシャドウがどこまで復元できるのか?、操作方法はたやすいのか?」に的を絞ってご紹介することとしたい。題して「Lightroo4(ハイライト・シャドウはマジ凄い!)」
さて、いかが相成るや・・・(汗)
<Lightroom4新機能>
我々静止画愛好者にとってバージョンアップの恩恵は少ないと思われるもののが、「ハイライトとシャドウの復元」がどこまで期待に応えてくれるかが大きなカギである。バージョンアップの目玉は次のとおり。
◆ハイライトとシャドウの復元
強い逆光のせいで暗く潰れてしまった写真も、明るすぎて白飛びしてしまった写真も、シャドウ部とハイライト部を個別に補正することで、被写体のディテールがくっきりと再現された美しい写真に仕上げることができる。ライティングの厳しい撮影環境でも、もう気にすることはない。
◆フォトブックの作成
Lightroom に用意された豊富なテンプレートを利用して、プロ品質の美しいフォトブックを作成できる。完成したフォトブックはPDF に書き出して保存、共有することができる。但し、日本語対応なし。
◆撮影した場所で写真を管理
GPS 対応のカメラで撮影した場合、Lightroom が写真に埋め込まれた位置情報を読み取り、地図上にピンで表示する。ピンをクリックすれば、その場で撮影した写真をすべて表示することが可能。通常のカメラで撮影した写真でも地図上にドラッグすれば、同様に管理することができる。
◆ビデオ編集のサポート
一眼レフカメラなどで撮影したビデオをLightroom に読み込んで管理、再生、トリミング、カラー補正が行えます。ビデオからキャプチャした静止画を現像ツールで補正し、その結果をビデオ全体に適用することも可能。
<潰れたシャドウが蘇る1>
テストケースとしていくつか考えてみたが、復元の威力をまざまざと見せつけられた次の画像を題材にご紹介しよう。この画像は、いわゆる「火渡り護摩」の一シーンをスナップしたものである。本来なら、逆光のため補助光としてストロボを使用しないと人物は潰れてしまうことになる。幸いにも強烈な逆光ではなかったものの、午前中の降雪でライティング条件はかなり厳しいと言わざるを得ない。おまけにストロボを持参するのを失念したために、あとはLightroomに頼るしかなかった最悪のケースである。
自動諧調で読み込み後の画像
本来なら、補助光効果や露光量、トーンカーブを駆使して現像処理を行うのであるが、補助光効果にしても画像全体に適用されイメージが変わってしまうため、大きく値を動かすことはできないのである。例えば風景などのように単純な画像であれば比較的容易に現像は可能であるが、スナップ写真の場合にはそうはいかない。そこで、シャドウ復元の登場である!
下の画像は、自動諧調で読み込までた後、「色表現」メニューのシャドウスライダを単純に「0」から「+100」にあげたもの。操作は単純明快、シャドウスライダを+側に動かすだけ!
上の画像と比べて、全体のバランスは保ちながらも火渡りをする女性の衣服や顔色が分かるまでに復元されていることがお分かりいただけると思う。Lightroom3であれば、前述のように補助光効果や露光量などを微調整しながら苦心惨憺の展開となるところ。しかも、全体に及ぼす影響が大きいために画期的な調教とは至らないのである。
自動諧調で読み込み後、シャドウを0から+100に変化させた後の画像
画像が小さいためにお分かりいただけないかもしれないので、以下に、人物部分をズームアップした画像を掲載しておこう。左右を見比べていただければ効果は一目瞭然。つまらぬ解説は不要であろう。これだけ見ても「シャドウ復元」の効果は絶大であり、しかも複雑な操作は一切不要なのである。ハイライト、シャドウの復元機能だけで、Lightroom3からLightroom4へのバージョンアップの価値は大である。
簡単操作、効果絶大により現像処理のバリェーションが広がることで、ますますLightroomでの現像処理が楽しくなることは間違いないであろう。
シャドウ復元なし
シャドウ復元適用
<潰れたシャドウが蘇る2>
比較的単純な風景画像を題材にその効果を見てみたい。なお、効果をより明確にするため、画像のみを大きくしてご覧いただこう。
次の画像は、長野県八島湿原の夜明け直前のもの。その1では稜線のオレンジに輝く光と水面以外はすべて黒くつぶれている。実際には、肉眼では捉えることが出来るのであるが、露出の加減でこのような写りになるのである。ところが、その2をご覧いただくとお分かりのように、シャドウを+100に設定することで、肉眼で見ることができた風景が目の前に広がるのである。しかも、周囲の明暗や色バランスを崩すことなく再現できるのから驚きである。もちろんRAW画像には様々な情報が克明に記録されていることから、このように再現できるのであるが、簡単操作で湿原を可能にしたLightroom4は大変素晴らしい。
ちなみに、その3は、最終仕上げ後の画像であるが、こうしてご覧いただくだけでも、現像のバリェーションが広がっていることをお分かりいただけるであろう。
夜明け前(その1)
夜明け前(その2)
夜明け前(その3)
<まとめ>
今回、Lightroom4の目玉機能「ハイライト・シャドの復元」のうちシャドウの復元をご覧いただいたが、ともすれば全体への影響を考えながらいくつかの工程を積み重ねながらの現像作業であったものが、「ハイライト・シャドの復元」の登場で他への影響なしに簡単操作で実現できるようになったことは、誠に喜ばしい限りである。
Lightroom3ユーザーで、Lightroom4へのバージョンアップを躊躇されており諸兄対し、バージョンアップの価値は大であり、背中を押して差し上げたいと、あえて申し上げておきたい。
新しく設けられたハイライト・シャドウパネル
<おわりに>
半信半疑で新機能を試したところが、考えることなく簡単操作でこれだけの効果が得られることと相成ったLightroom4。これを機会に、これまで撮りためた画像のなかで、ともすれば諦めてきた多くの画像を見直してみようと思う。RAWデータならではの技であるが、非破壊編集や再現能力の向上で、ますますRAW現像が好きになれそうである。
本稿が、「Lightroom」でRAW現像を目指される諸兄への一助となれば幸いである。
2012年05月 write.
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