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Martinの「デジカメ指南」
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point7 ISO感度、自分で設定するのとオートにお任せするのとどちらがいい?
結論からいうととどちらでも結果は同じ。
それよりも、何のために設定をするのかということを知ることが重要ポイントである。
<ISOの現実>
フィルムカメラの撮影経験のある方はご存知かと思うが、暗いところになればなるほどシャッター速度が遅くなりカメラぶれの危険が増大する。
そこで作られたのが高感度フィルム。
例えば室内、しかもバレーボールなどのスポーツを撮影する場合には、早いシャッターが切れないと、被写体ぶれがおこり絵にも何もならない。そういう時に高感度(例えばISO3200など)のフィルムを使えば、カメラぶれや被写体ぶれすることなく撮影が可能になるのである。
しかしその半面、粒子が粗く(写真表面がざらざらとしたような状態)なり、綺麗で滑らかとは程遠くなる。
この場合の選択肢としては、撮影を優先して画質を多少犠牲にするか、撮影をやめるかのどちらかでしかない。
余談になるが、フィルムカメラには昔から常用フィルム(ISO感度が100のフィルムのこと)と呼ばれ、ほとんどの店で売っていたのがISO感度が100のフィルムであった。
まれにISO400のフィルムも置かれてはいたが、この時代はズームレンズというのが無く、短焦点(コンパクトカメラなら35〜40ミリ程度、一眼レフカメラの常用レンズといえば50ミリ)の比較的明るいレンズであったため、カメラぶれは起こりにくかったといえる。
しかし、コンパクトカメラでもズームレンズ付きの時代が到来してからというもの、コストとうの関係からどうしても暗いレンズにならざるをえないため、カメラぶれが多くなったのも事実。そこで、フィルムメーカでは、ズーム専用フィルムと称してISO感度400のフィルムを発売し、その頃から常用フィルムはISO400となっていったのである。
本論に戻るが、高感度(ISO感度高い)になればなるほど、カメラぶれは少なくなる半面、粒子は粗くなる。逆に感度が低く(有名なところではコダクローム64やフジクロームベルビア)なればなるほど、カメラぶれの危険性は増えるが、粒子は滑らかで豊かな発色となる。三脚を使う風景やマクロなど被写体であれば、全く問題はない。
そういうう筆者自身、滑らかで豊かな発色の写真を求めてきたので、必要以上に三脚を多用したり、明るい高額のレンズを使用しなくてはならないというハンデはあるものの、低感度フィルム(ISO50)は手放せない存在であった。
以上のことをデジタルカメラに置き換えていただければ、ご理解いただけるのではなかろうか。
<結論として>
粒子を滑らかにしたい場合は迷わず低感度(例えばISO50など)
多少の画質は犠牲にしてでも暗いところでもカメラぶれなく撮影したい場合には、高感度(ISO400以上)
巷では、フィルムカメラで粒子と呼ばれていたものが、デジタルカメラではノイズと呼ばれ、半ば諸悪の根源のように語られることがあるが、(フィルムカメラ時代では)粒子を荒れさせた優れた技法(特にモノクロ作品)も多く、全てを悪と決め付ける風潮はいかがなものであろうか。
ちなみに、写真展などでモノクロ写真をご覧いただく機会もあろうかと思うが、(作品にもよるが)のっぺりとつやのある(きれいな)作品よりも、粒子が荒れて荒々しく表現されている作品のほうが迫力を感じるのは、筆者だけであろうか。
2006年08月 write.
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