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Martinの「デジカメ指南」
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point15 RAWで撮るなら一眼レフカメラもフルオート?
巷ではデジタル一眼レフの新製品ラッシュ。コンパクトから一眼レフに乗り換える諸兄も多いと聞く。そこで求められるのが撮影技術、なかでも露出補正は分かっていても難しい。「何とか救いの手はないものか?」と質問のメールを頂戴した。
そこで、あくまでも自己責任ながら「RAWとLightroomの組み合わせ」ならばという条件付きで秘策をお授けしよう。
<RAWデータって何?>
デジカメ内部で何の処理もしてない画像データ、つまりCCDなどの撮像素子から得られた電気信号をそのまま単純にデジタル化(圧縮なし)したもの。また、「RAW」データは、画像処理されていないのでハードディスクに保存しただけでは表示できない。そこでデジカメに付属している「RAW」データ処理ソフトなど「TIFF」形式(圧縮なし)のなどの一般的な画像形式に変換することになる。
なお、変換作業(属にこの処理の過程を現像と読んでいる)は、ホワイトバランスなどのパラメーター(昼光や曇天、蛍光灯など)をユーザーが任意に設定することにより、自分好みの画像データを作り出すことができる。しかも、「JPEG」のデータをフォトレタッチソフトなどで修整するのと違い、画像データ自体が劣化することもなく、ハイレベルな画像を手に入れることが出来るのである。
RAWで撮っておけば、現像を処理を後でやるので失敗が少なく、(パソコンが扱えると言う前提ながらも)むしろ初心者にお勧めしたい「魔法のRAW」データたる所以である。
これに対して「JPEG」の場合は、デジカメ内部でホワイトバランスや彩度などのパラメーターを加味(露出やコントラスト、シャープネスなどの補正の意味)して画像データを作成し、さらに圧縮処理して保存している。つまり、カメラメーカーの意のままのイメージで作られる画像である。
<Lightroomってどんなソフト?>
正式には「Adobe PhotoShop Lightroom(以下、Lightroomと表記)」という名称で、PhotoShopとは全く別にカメラマンのために新規に開発されたソフトで、画像管理・現像・プリント・PDFやWebでのプレゼンテーションなど、カメラマンの基本業務に特化した、誰にでも使える容易な操作を実現した、いわゆるプロ御用達のソフトである。
初代バージョンから一貫して「ライブラリ/現像/スライドショー/プリント/Web」という5つのモジュールで構成。画面右上のモジュール表示をクリックすることで画面を切り替え、夫々の作業を行うことになる。
5つのモジュールと切り替えボタン
◆ライブラリモジュール
Lightroomでの作業は、現像したいデータを読み込むことから始まる。読み込める静止画ファイルは、各社のRAWデータのほかJPEG、TIFF、PSD形式に対応している。読み込んだデータは、サムネイルとして表示され、表示の拡大/縮小、並べ替え、EXIFなどのメタデータの確認と編集、キーワードの設定などが行える。また、各画像にレーティング(優先度)やフラグ、カラーラベルを設定し、画像を多元的に管理・分類できることが特徴のひとつである。
◆現像モジュール
Lightroomの中核をなす機能で、さまざまな画像補正を行う。利用できる機能は、ホワイトバランス補正、露出補正、階調補正、トーンカーブ、色相と彩度、明瞭度、シャープネス、ノイズ低減、レンズ補正、トリミング、スポット補正など。
これらの補正機能は、RAWデータを直接加工しているわけでなく、補正の情報として記録されるだけ。そのため、補正を何度繰り返してもオリジナルのデータは維持され、元のクオリティは損なわれない「非破壊編集」ととなっている。
◆その他のモジュール
「スライドショー」モジュールでは、PDFやMP4のスライドショーファイルに出力したり、「プリント」モジュールでは印刷やファイルへの書き出し。「Web」モジュールではHTMLやFLASH形式のWebギャラリーを作成することできる。
なお、LightroomではRAWデータだけでなく、レタッチのたびに画像情報がどんどん削られていくJEPGファイルでも、RAWファイル同様にほとんど劣化なく現像処理が出来ることから、初心者も含めJEPGを多用するカメラマンも恩恵をもたらしてくれる。そこが「Lightroomのウリ」あり、多くのカメラマンに指示されている所以でもある。
詳細は以下のtipsをご覧いただきたい。
tips120 初めてのLightroom3(写真の読み込み編)
tips121 初めてのLightroom3(ライブラリモジュール編)
tips122 初めてのLightroom3(ライブラリモジュールの核心・実戦編)
tips123 初めてのLightroom3(現像モジュール・機能編)
tips124 初めてのLightroom3(現像モジュール・実践編)
<RAWとLightroomはベストカップル>
本来は状況に応じた適正露出が求められる一眼レフであるが、RAWとLightroomの組み合わせならば難しい操作を多少なりとも省略しても余りある。
注意点と言えば、露出オーバーや極端な露出不足にならないようにだけ注意すれば、あとはLightroomがカバーしてくれるのである。
ここまで聞くとといっても、にわかに信じがたいと思われる諸兄も少なくないのではなかろうか(汗)
<切り札は自動現像>
操作は至って簡単。RAWデータをLightroomに読み込む際に、自動現像機能を使うのである。
Lightroomには自動現像のパターンがいくつか搭載されており、なかでもお勧めするのが「自動階調」である。
カメラの特性やプラス補正を多用した場合など、時に明らかな露出オーバーとなるが場合もあるが、極端なアンダーなど撮影された画像をベストな諧調で仕上げてくれるため、読み込み「即」ほぼベストな状態が再現されるといって過言ではない。あとは、イメージに沿って微調整を加えていくことになるが、筆者の経験からすると、ほぼ7割が概ね良、残りの3割が再現像という結果が出ていることからも、その実力は確かなもであるといえよう。
現像設定パネル
<細かい仕上げは>
現在、tipsで「はじめてのRAW現像講座」なるものを開設しており、最新tips「tips124 初めてのLightroom3(現像モジュール・実践編)」において微調整の方法も含めて詳しく記述しているのでそちらをご覧いただくこととして、ひととおりのメニューと調整方法に従っていただくだけで、JEPG以上の高品質画像が手に入るといっても過言ではないと申し上げておきたい。
tips124 初めてのLightroom3(現像モジュール・実践編)
<おわりに>
一定のセオリーのうえで「露出補正などを何ら気にせず撮影に専念することが出来たら・・・」
カメラマン永遠の夢であるが、筆者自身厳寒の美ヶ原という過酷な撮影条件下で撮影に没頭し、ダイアモンドダストやブロッケン現象などを撮影することが出来た経験からも、お奨めする価値は大だといえよう。
2012年04月 write.
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