◆色鮮やかな花を順光線で 光が被写体の正面(撮影者の背後)から均一に当たる順光は、光が均一に当たるために、きれいには写せるものの平面的になるのは否めない。 とはいえ、色彩が自然に再現されるので花の魅力をストレートに表現するのには適しているのである。 例えば、盛夏の青空を背景に向日葵を撮影するとしよう。 青空に映える向日葵の黄色は、より鮮やかで、それでいて力強い描写が可能となるのである。 ◆透明感をもたらす逆光 被写体の背後からカメラに向かって光が当たっている状態を「逆光」と呼び、昔から「写真撮影に向かない光線状態」といわれてきた。 しかし、逆光状態で撮ると被写体に光の縁取り(ラインライトと呼ばれる)が出来たり、背景が暗くなるため被写体が周囲から浮かび上がって見えたりする。 また、花びらが光に透けて見えるために、いきいきとした輝き感が生まれ、まさにうってつけの光線状態なのである。 ◆日陰を選んでやわらかい表現を 晴天の直射光線下では、花の形や色がハッキリと描写される反面、目障りな影が発生したり、色彩がどぎつくなりすぎることもある。 そういう時には日向を避けて、日陰にある花を狙うのもひとつの方法。 直射光線ではないため、目障りな影も発生せず、派手な形や色の花でも、やわらかい調子写真に仕上げることが出来るのである。 ◆花に接近して撮る 昔から「写真は引き算」とよく言われてきたが、狙った被写体の魅力を明快に伝えるためには、余計な写り込みを回避する必要がある。 そのためには、できるだけ被写体に接近して撮るよう心がけ、間違ってもズームレンズで調整することなく、角度を変えたり前後に動いてみることである。 こうすることで、被写体の臨場感や印象も強くなるのである。 ◆空間を利用して 多くの場合、無意識のうちに花を画面の中央近くに配置してしまい、往々にして単調で面白みのない写真しか生まれない。 なんな時には、花を画面の中央から外してみるのである。空間を設けることによって単調な写真に動きが出てくる。 といっても実際に写真が動く訳ではないが、こうすることにより見る人の既成概念を変える(写真を見る視線や感覚に動きが生じる)のである。 ◆広角よりも望遠で 人物撮影と同様に、望遠で撮影すると画面を単純化したりより強調することが出来る。 花に比べて背景の写り込む範囲が狭いため画面を単純化でき、また花自身を浮き立たせたり、背景をボカしたりすることで、結果として主役である花を強調することができるのである。 なお、シーンモードなどと呼ばれる撮影モードが搭載されたデジカメでは、状況に応じた設定で撮影することができ、マクロモードやポートレートモードなどを選択するといいだろう。 ◆背景を考えて どんなに色鮮やかで美しい花でも、背景の状況によっては、その美しさが写真から伝わってこない場合もある。 例えば、鮮やかな赤い花を撮影する場合、その花の周囲に別の赤い花があると、そちらに目が行ってしまい印象が弱くなってしまう。つまり、脇役はあくまで脇役であり、主役より目立ってはいけないのである。 もちろん、複数の花を配列良く組み合わせて撮影しようとする場合は別であるが、特定の花に狙いを絞るなら、背景には同系色の花は避けたいところである。 |
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