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Martinの「デジカメ指南」
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Lecture42 必撮!(新緑編)
木々の緑が目にまぶしいこの季節。
特に雨上がりなど、瑞々しい輝きに満ちた光景を前に「ここで1枚」と思われる諸兄も多いはず。
ここは、新緑をより美しく撮影する方法を押さえて撮影に臨みたい。
<新緑も逆光線>
新緑の魅力はなんといっても、やわらかな色合いにあるといっても過言ではない。
そこでポイントとなるのが光である。どんよりした曇り空では若葉の輝きが表現しにくく、出来うることなら晴天や薄曇りの日を選びたい。
森や林の中では、木漏れ日をうまく利用したいもの。
葉を透過した光によって新緑は、より透明感のある緑に生まれ変わるため、出来れば逆光や半逆光になる位置を選び、葉の裏側に透けてくる光(透過光)を狙いたい。
(完全な逆光であれば葉っぱに光が通るような位置に立って。また斜光の時は見た目で、適度なコントラストがつく位置から狙う)
こうすることで、新緑の瑞々しい輝きを最もうまく表現することができ、さらに印象深い作品となり得るのである。これは、紅葉の撮影の際にもいえることで、昔から「紅葉は逆光線で撮れ」といわれるほど、オーソドックスなスーパーテクニックなのである。
<ポイントは明るめに>
デジカメに露出補正の機能がついている場合には、迷わずプラス側に+0.5程度(状況に応じて+1ぐらいまで)を目安に補正したい。
露出補正という言葉を聞くと後ずさりしてしまう諸兄もあろうかと思うが、要はファインダー(液晶モニタ)で確認し、一番キレイだと思われるところでシャッターを押していただければいい。
但し、液晶モニタでは、天気の加減で光って見にくいことや細部まで確認できないこともあるので注意したい。
<様々な表情をとらえる>
新緑の撮影では、ズームレンズの広角側を使って全景をとらえたり、望遠側で1枚の葉をクローズアップするなど、いろいろなバリエーションが考えられる。
ポイントとなる被写体がなければ、画面が散漫となりやすいことにも注意しながら、自分が最も美しいと感じる部分を切り取っていただきたい。
例えば・・・、新緑の紅葉が頭上にある場合、デジカメを空に向けて構え、幹の黒い部分をアクセントにしながら(画面にメリハリを持たせながら)撮影することもひとつである。この場合は、空に向かってカメラを構えるため画面が暗く(露出不足)なることから、プラス側に露出補正するのであるが、シャッター速度が極端に遅くなりカメラブレのリスクがあるので、三脚などを携行したい。
<意外な風景>
もうひとつのアドバイスとして、ついつい「画面いっぱいに大風景を・・・」などと欲張りがちであるが、身近にある葉っぱと水滴が織りなすファンタジックなドラマにも目を向けたいものである。
張り巡らされた蜘蛛の巣に、あたかも真珠のように水滴の連なる光景はドラマチックこのうえない。出来るだけ単純な背景を選んで撮影にいそしんでいただきたい。
このように、足元の身近な小風景を何枚か撮影することで、ちょっと素敵なアルバムに変身する事も。
<逆光・半逆光でメリハリを>
逆光や半逆光の被写体は、キラキラと輝く輪郭線がとても美しいもの。特に、透過光下でも紅葉は透明感があふれ、最もドラマチックに映る。
「紅葉は逆光で撮れ!」 これは写真界でのセオリーである。
被写体への光の当たり方にも注意をはらうことで、メリハリのある感動的な作品が仕上がるということを、覚えておいていただきたい。
<水面などを利用して>
川などの水面に反射する新緑も、趣がある。湖や沼、池などの水面に映り込んだ新緑も格好の被写体であり、風があると水面に波が立ち映り込みがブレてしまうので、風がないときを狙って撮影してみたい。
欲をいえば、青空や白い雲などもアクセントとなるため、出来れば晴れの日を選びたいものであるが。
<渓流や滝>
シャッタースピードを遅くすると水をブラせて(綿のような表現も可能)、流れが表現できる。逆に速くすると水の流れを止めて水の飛び散る様子をとらえることができるなどシャッター速度によって大きく表情が変わってくるので、いろいろと試してみてはいかがか。
但し、明るいところではシャッター速度をわざと遅くさせるには、NDフィルターとよばれる減光用のフィルターを用いることも必要となるのでご留意を。
他方、シャッター速度が遅くなるとカメラブレが起きやすくなるので注意したい。
<おわりに>
「折角、美しい新緑を撮ったのににブレてしまって・・・」となってはあとの祭り。
一枚一枚の葉っぱが見え、枝までしっかりと見える写真の方が良いのは当然。
最近のデジカメは、手ぶれ防止機能が搭載されたものも見受けられるが、「転ばぬ先の杖」ならぬ「転ばぬ先の三脚」にはかなわない。
デジカメ用に軽量でブレも少ないタイプも数多く出回っているので、一度検討してみては如何か。
2012年09月 write.
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