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Martinの「デジカメ指南」
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(第10回)知っていて損はない「被写界深度」
被写界深度:ひしゃかいしんど? (;^_^ A
一見、なにやら聞き慣れない言葉で難しそうな印象をうけられるでしょうが、実は、ピントの合う範囲(広いか狭いか)のことをこう呼ぶのです。
カレンダーや絵葉書などのように「画面全面にピントが合っている」写真と、グラビアなどのように「背景がボケている」写真があるのはご承知でしょうか。この背景のピントの合い具合(ピントの合う範囲)は、「被写界深度」によって決まるのです。
「深度」というくらいですから、被写界深度が"深い"とか"浅い"という風に表現するのですが、被写体から背景(遠く)までピントが合う場合を「被写界深度が深い」といい、被写体にはピントが合っているが、背景がボケている場合を「被写界深度が浅い」といいます。
ここまで読んで来て「なら具体的にはどうすればいいの?」という声が聞こえてきそうですが・・・(汗)
◆被写界深度は・・・
絞り(F値)を絞る(数値を大きくする)と被写界深度は深くなり、ピントが奥まで合います。逆に、絞りを開ける(数値を小さくする)と被写界深度は浅くなり、背景がボケることになります。
また、一般的に、望遠になればなるほどピントの合う範囲が狭くなり、背景がボケることになります。
◆実際の操作の基本は…
自動露出(オート)の場合は、必ず「絞り優先モード」に切り替えてから、絞り(F値)を変化させてください。
絞り(F値)が8とか16などのように、数字が大きくなるに従い被写界深度は深くなり、逆に4とか2.8とか、小さくなるにつれ被写界深度は浅くなっていきます。
◆注意点(絞りとシャッター速度の関係)
写真というのは「光の量」によって結ぶ画像が決まるので、絞り(光の通り口の広さ)とシャッタースピード(光を当てる時間)は表裏一体の関係にあります。
全面にピントを合わせたい場合は、絞りを絞ることになるので、その反面シャッター速度は遅くなります。屋外などのように明るいところでは、絞りを絞ってもあまり問題ありませんが、屋内などのように暗いところでは、シャッター速度が遅くなり手ブレの原因になってしまいます。ですからシャッター速度が遅くなる場合は、必ず三脚を使うようにしてください。
余談ですが・・・。
ネコの瞳が、昼間のように明るいところでは点のように小さくなり、逆に暗いところでは大きくなるのをご存知でしょうか。実はカメラの絞りもまったく同じ原理なのです。
◆まとめ(参考)
ポートレート(肖像写真)写真などの場合は、被写界深度を浅くして背景をボカすと、被写体が浮かび上がって(背景が省略されて)素敵な写真になります。逆に、風景写真などのように、全体のディテール(輪郭とか細部など)をきちんと記録したい時には、絞りを絞って被写界深度を深くして、全面にピントが合うようにして写すといいでしょう。
要するに、撮りたい写真をイメージして、絞りやズームの倍率を変えて、「背景をボカしたり」、「カリっと全面にピントを合わせてみたり」して、色々試してみてください。
でも…。まだ分かったような、分からんような???
じゃぁMartinさんはどのようにして撮ってるの?(と聞かれるかも…)
一般的には、ポートレートなどのように、背景をぼかして主題を浮かび上がらせたい時は、絞りは開放(一番小さい値)に。風景などのように、全面にピントを合わせたい時には、F8で撮影しています。(コンパクトデジカメの場合は、高倍率の望遠ズームが搭載されていないため)_〆(.. )
知っているといないとでは大違いの「被写界深度」。
今日からあなたもテクニシャンの仲間入り!
2002年06月 write.
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